We Copy !!



目が覚めればあの人がいる

どんな夢であっても明日はくる


私の昨日にも明日にも彼らがいるんだから





『…でね、兄さんってば私の作る料理に嫌いな物なんかあるわけないって言って…きゃーっ!!』

「はいはい…雪子、その話は先週も去年も一昨年も聞いたよ」

『中学の頃から話してるよ』

「それ、よく飽きないな!」

『あは、もちろん来年もずっと語るよ覚悟しといて』

「…はぁ、仕方ないなぁ」



アイスコーヒーを飲み干した前田が両手を上げて降参のポーズ

食堂の隅でレポートを広げながら、私が語るのは大好きな兄の話。まだ語り足りないけど仕方ない




『1年…ブランクあるし』

「ん?」

『あは、何でもないよ』




私は、大好きな兄さんを失ったはずだった

兄さんの居ない世界を1年も過ごし、彼だけでなくたくさんの大切な人を私は失うことになる


しかし廻り合わせは、私から彼らを奪ったわけではなかったんだ



『あ…そうだ前田、兄さんがまた夕飯食べに来いって言ってたの。バイトの予定って解る?』

「んー…来週なら平気だけどなぁ…」

『なに?兄さんの誘い…断るの?前田なのに?』

「怖っ!!吉郎さん絡むと雪子怖っ!!いや、違うけど…さ、あの人たちも居るだろ?」

『あの人?』

「雪子の親衛隊」

『……へ?』



苦笑する前田に首を傾げる…が、ああ、分かった

前田の言わんとしていることに気づいたが、親衛隊は言い過ぎじゃない?



「いやいや、こうやって話してるだけで殺気が解るからね。俺、いつでも命の危機だからね」

『大袈裟だなぁ前田は。死なないなら別にいいじゃない』

「めちゃくちゃ暢気っ!!!」

『本心だもん』




命の奪い合いがない、平和な日本で皆とまた会えた

それが明日も続くように―…




『あ、そろそろ帰るね』

「おー、あれ?今日は迎えは無いのか?」

『今日は皆忙しいらしくてね。部活とか仕事とか』

「そっか、じゃあ今日は久々に俺が送るよ!」

『え、いいよ忙しいんじゃない?』

「たまにはね。近頃は雪子をとられっぱなしだし。昔はこれが俺の仕事だったんだ、久々にねっ」

『……うん、よろしく!』




さぁ、行ってみようか






20131021.
ウィーコピ開始^^


mae tugi
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