We Copy !!



『見てくださいこれ!可愛くないですか?好きなブランドの新作なんですっ』

「…この洋服か」

「確かに可愛いけど…雪子にはこっちの方が似合うと思うよ?このふりふりっとしたやつ」

『えー…でもこっち…』

「こっちは雪子の背と胸のサイズじゃ物足りな…いってぇっ!!?」

『酷いです政宗さんっ!!というか佐助さんもそう思ってたんですかっ!?私に合わない理由ってそこですかっ!?』

「いやいや俺様なにも言ってないよっ!!なぁ毛利の旦那っ」

「…我を巻き込むな」




大学の食堂の一角。そこの机に雑誌を広げ、とあるページを指差す私とそこを覗き込む元就さんと佐助さん、そして政宗さん

確かに私がいいなと思った洋服は…大人っぽいというか、私みたいなちんちくりんには合わないと思う。うん、政宗さんが言う通り物足りない




『いいなー…こんなの着てみたいなー……無理かな』

「背はどうしようもねぇが、胸ならオレが手伝って…いってぇっ!!?何しやがる毛利っ!!」

「散れ」

「今のは独眼竜が悪いよ」

『最低です』

「ほう…ホトトギスはこのような洋服が好みなのか」

『はい!合う合わないは別として、こんな可愛いのをすらっと、着こなせたら…いいな…と…』






……………あれ?






「そのような話は若僧ではなく、私にしたまえホトトギス」

『ま、まま松永さんっ!!?』

「松永久秀っ!!?」

「テメェ何しに来やがったっ!!」

「チッ…!貴様らっ!!雪子をそやつから離し距離をとれっ!!」

『そして途端に連携が…!』

「はははっ、愉快愉快」




いつからいたのかいつの間にいたのか、そして大学に何をしに来たのか。私の背後に立つスーツ姿の男性…ニヤリと笑う彼は皆の宿敵松永さん

そしてさっきまでの言い争いや普段の犬猿なんて何のその。三人は揃って松永さんに対し臨戦態勢を整えた…普段からこれぐらい仲良くできたらいいのに




「これはこれは…挨拶もなしにそれか。今時の若者は礼儀がなっていないようだ」

「アンタに礼儀を説かれる筋合いはねぇな…!なんで大学にいるんだよっ」

「なに暇ができたのでね。私のホトトギスに会いに来た、それだけさ」

「よくここまで入って来れたな…いったいどんな手を使ったのさ」

「就職活動中の学生を視察したい…と言えばあっさり入れてくれたよ」

「…この大学の警備は大丈夫なのか」

『そういえば松永さんって会社の社長さんでしたね…』




隣で渋い顔をした元就さん同様、松永さんも普段は人当たりの良い雰囲気を出している。それに就職真っ只中な今、社長の抜き打ち訪問なんて願ってもない…のかな?

とにかく彼の正体を知らない限り、警戒しようなんて思いもしない。むしろそのダンディズムに撃ち抜かれる乙女が多数だろう




「…それよりも、だ。ホトトギスはその服が欲しいのかな?」

『え…あ、は、はい欲しいというか可愛いけど…似合わないな、とか…あははっ』

「ちょ、雪子!話しちゃダメだってば!」

『だって…』

「なるほど、確かにホトトギスの雰囲気には合わないようだ」

『う゛……』

「しかしスカートの丈を少し短くし、胸元に花を飾れば君にも合うだろう。どうだろう?私の知り合いのデザイナーを呼んで作らせようか」

『本当ですかっ!?…って、オーダーメイドっ!!?』

「テメェっ!!雪子を物で釣るなんざ…よく調べてるじゃねぇか」

「雪子は服を与えておけば基本、機嫌を直すからな」

『人を単純みたいに言わないでください!事実ですけど!事実なんですけど!』




でも確かに、大きめな飾りとかスカート丈とか。ちょっとデザインを変えれば原型を留めつつ私でも変にならない…かも

ちらちらっと松永さんを見上げれば、にっこり笑って見下ろしてくる彼と目が合った




「どうしたホトトギス?」

『…あの、松永さん』

「なんだね?」

『………この洋服、欲しいです』

「なんだそんなことか。もちろん、君に最も似合う洋服を贈ろうじゃないか」

『本当ですかっ!?ありがとうございます!松永さんの采配にお任せすれば問題なしですっ』

「ははっ、いやはや私のホトトギスは本当におねだりが上手い」










「…ねぇ、今の、松永久秀が雪子におねだりするよう仕向けたよね?」

「馬鹿か、貴様に言われずとも分かっておるわ」

「くそっ、財力と年をひけらかしやがって…!見ろよ雪子が明らかに上機嫌だっ」

「それも言われずとも分かっておる。二度も言わせるな」










「代わりと言ってはなんだが、私が見繕った洋服も一着…ホトトギスに着て欲しいのだがどうだろう?」

『え、むしろいいんですかっ!?二着もらっちゃうことに…』

「こちらとしてはクローゼットいっぱい…いや店ごと贈っても問題ないよ」

『二着でお願いしますっ!!!』

「いいだろう。早速今夜、下見に車を出そう。風魔に連絡を入れる」

『あ、小太郎くんも一緒ですかっ!?久々なのでご飯も行きましょうよ兄さんには連絡入れときますねっ』

「…他の男も込みで、か」

『松永さんとなら兄さんも許可くれると思いますしっ』

「……実に複雑だ」











「…これは大丈夫、なのか?」

「とりあえず風魔には見張っとくよう連絡入れとくよ…って、毛利の旦那どうしたの?」

「…雪子の兄の信頼は我が最も勝ち取っておるわ」

「あ、ここ大丈夫じゃなかった」

「そこ張り合うなよ毛利…心中察するがな」






20151011.
キリ番2600000匿名様

ウィーコピ松永さんとの絡み。趣味で大学生組出しましたすみません!


mae tugi
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