We Copy !!



「雪子〜」

『来たな前田!今日はレポート?それともバイト?生半可な見返りじゃ手伝わないからね』

「そう思って今回のお礼は…これだっ!!」

『ん?』

「ジャジャーンッ遊園地の入場券っ!!」













「…ふむ、今はあれが空いておる。雪子、まずは並ばずにすむ物から順に…」



カポッ



「・・・・・」

『あは、似合ってますよ元就さん!可愛いですっ』

「ヒーヒヒッ!!!ずいぶん、ヒッ、愛らしいではないか毛利、ヒヒヒッヒハッ、ゲホッ!!ゴホッ!!!」

『大谷さん、むせるくらい笑わないでください…』




というわけでやって来ました遊園地!


休日の今日、私たちは前田からもらった入場券を手に遊園地へと乗り込んだ

休みだから家族連れや友達、カップルがたくさん…そして入って直ぐ買ったキャラクターの耳カチューシャを元就さんに装着。可愛いですよ!




「…………」

『あ゛、お、怒らないでくださいね元就さん!元就さんも楽しみにしてたからノリで―…て、あれ?』

「…………」




てっきりチョップが落ちると思ったが、元就さんはカチューシャを外すと無言で歩いて行ってしまった

大谷さんと共に目線で追う。その先には…







「いいですか政宗様、あと猿飛!いくら遊園地って場所でも雪子へのちょっかいは吉郎に代わって俺が…」

「片倉、」

「あ?なんだ毛利、テメェも二人をちゃんと見張って―…」



カポッ



「・・・・・」

「…………ふっ」

「っ、ぶ、はははっ!!!似合ってんじゃねぇか小十郎っ!!キュートだぜ、いや、ほんと、ぶはっ!!」

「ちょ、いきなり止めてよ毛利の旦那、俺様、心の準備っ…く、ふ、…ぶはっ!!!あははははっ!!!」

「猿飛テメェエェエっ!!!」

「ええっ!!?いや、待って、なんで俺様だけぇえぇえっ!!?」

「ふん…これで許してやろう、雪子。次に我へ狼藉を働けば、これではすまさぬ」

『えぇー…』

「はてさて…帰る頃まで何事もなければよいがな」








「む?雪子殿!ポップコーンでござ…おぉおっ!!チュロス!雪子殿、共に半分こするゆえどちらも買ってよろしいだろうかっ!?どの味がお好きかっ!?」

「雪子様っ!!どうか場所とりは私にお任せください!このアトラクションなどどうでしょう、しかしこちらも非常に人気なようで…ああ、雪子様ならばこちらも…!」

『ふふっ、うんうん順番ねっ』






「…おい、真田と石田が年下という武器を使って攻めてんだが。意外と策士だなあいつら」

「…………(怒)」

「ははっ、三成も真田も仕方ないなぁ。あまり雪子を困らせるなよ」

「ぁあ?家康、アンタも年下なんだ。甘えてくりゃあいいだろ」

「え……い、いや、ワシは…」

「おーい、雪子ーっ!!家康がパレード見たいってよーっ!!」

「元親っ!!?」








『パレード?』

「ああ、遊園地っていやぁ盛大なパレードだろ。なぁ、家康?風魔?」

「あ、ああ」

「…………」



小太郎くんがババッと見せてきたパンフレットには、他のアトラクションよりも大きくパレードが紹介されていた

確かにそうだよね、それを覗き込んでいると隣の三成がボソッと呟く




「…大人数の行進をひたすらに見て何が面白いんだ、家康」

「もう少し他の言い方はないのか三成…いや、それは、そうだが…」

『でもやっぱり欠かせないよね!家康くん、この時期は夜みたいだから、その時間に一緒に見ようっ』

「雪子…あ、ああ!」

「夜のパレードっていやぁ花火だろうな!ドッカーンと一発、デカイの期待するかっ」

「花火でござるかっ!!?某もぜひっ!!」

「雪子様がご覧になるならば私も…っ、貴様もか、風魔」

「(笑)、(笑)、(笑)」

『楽しみだねっ』

「ああ!」









『もう、着替え持ってきてないなら濡れちゃうアトラクションは避けてください!びしょびしょじゃないですかっ!!』

「楽しそうだったから…」

『から、じゃなく!もう、片倉さんも政宗さんを止めてくださいっ』

「……すまん」

『……なんで洋服、濡れてるんですか』

「…………」

「あーあ、もう日も暮れたから乾かないよ?風邪引いたってしらないからね」

『そうですよ!せっかく今から…』




パレードなのに、

閉園時間を前にした最後のパレード、道の脇にたくさんの人が並んでいる。肩車をした親子連れ、寄り添って始まりを待つカップル

私たちはといえばアトラクションでずぶ濡れな大学生組と社会人組、空になったお菓子のケースを大量に持った高校生組、そして…




「あ……見えたぞ雪子!パレードの先頭だっ」

『え、ほんと―…て、み、見えない…!』

「ははっ、肩車してやろうか?」

『いいのっ!!?』

「え?あ、い、いや、ワシが遠慮しておこう…ほら、ここならよく見える」

『ありがとっあ、見えた!』



家康くんが空けてくれたスペースに入り込めば、暗い遊園地の向こうからやって来る眩い行列

たくさんの色が近づいて来れば、それに伴い楽しげな音楽も鳴り響く


次の瞬間には―…




ドーンッ!!!




『あ……』

「花火でござるっ!!」

「はははっ!!やっぱでっけぇな…お?次が上がるぜっ」

「綺麗だな…」

『うん、あっ…』




次々と空へ打ち上がる花火が、パラパラと散って遊園地を照らす。それに見とれているといつの間にかパレードも目前に迫っていて

観客に手を振るキャラクターたち。声援に応えるように投げキッスをもらえば、きらびやかな乗り物がいっそう輝きを増していった


音楽につられるように手を叩けば隣の彼も両手を合わせる




『家康くん、楽しい?』

「ああ、もちろん!雪子はどうだ?」

『楽しいっ』

「そうか、それはよかった!ん?はははっ、なんだ三成、邪魔をするなよ」

「黙れっ!!姑息な手で雪子様の隣を奪うなど…!」

『三成もこっちで見ようよ。あ、真田くんもここならよく見えるよっ』

「っ、雪子様っ…!お隣、失礼いたしますっ」

「まことかっ!!?おお!ここならばパレードと花火が共に見える!」

「雪子、ついでに皆もこちらを向くがよい」

『え、何ですか大谷さ……あ、』




名前を呼ばれて振り向けば、人混みを掻き分けた先に大谷さんの姿が

そんな彼の手元から私たちに向けられたのは…カメラのレンズ。高そうなカメラは流石ですね大谷さん




『…あは、家康くん!真田くん、三成もっ!!』

「え、うわっ!!?」

「なっ―…!」

「うおっ!!?」




彼らの腕をまとめて引っ張ったその時、後ろから今日一番大きな花火の音がした









『…で、これがパレードの写真です!すっごく綺麗だったんですよっ』

「いやはや…私のホトトギスは祭り好きだと思っていたが、なかなか楽しそうな顔をする」

『次は松永さんもどうですか?』

「そうだな…君と楽しむ前提ならば、一日貸し切りにするのも悪くない」

『遊園地を楽しむ規模が違うっ!!?あ、そうだ、松永さんにお土産ですっ』



カポッ



「…………」

『あは、似合ってますよっ』

「……苛烈、苛烈」





20140825.
キリ番1900000佐方様


mae tugi
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