We Copy !!



「熱を出したっ!!?何故それを私に言わなかった雪子!」

『い、いやぁ私は平気だったんですけど、兄さんが心配しちゃって』

「くっ…!まだ毛利だからよかったものを、伊達や佐助ならお前は餌食だったんだぞっ!?」

『ここでも何という信頼の差!』

「っ…もう大丈夫なのか?」

『あ……はい、もちろんっ』




お騒がせしましたと言えば、自覚しろと苦笑するのは金髪美人なかすがさん

同じ大学の彼女は学部は違うものの同級生であり、今は大学近くの喫茶店で一緒にお茶をしている



「雪子の兄も相変わらずだがな。お前が自分のことに無頓着なことも悪い」

『えぇー、酷いですかすがさん』

「酷いものか。その暢気なところに漬け込む輩がいるんじゃないか」

「おいおい、その無防備なところも含めてHoneyの魅力だろ?」

「女の私から見れば危なっかしいだけだ」

『んー、一応これで今まで生きてこれたんですけどね』

「よく言う!だいたい、前に雪子が越後を去り大阪になんか行ったのはお前のせいで―…」

『…………』

「…………」




・・・・・・。




「何故お前がここにいるっ!!!」

「HA!雪子居るところにオレ有りだぜ、常識だろYou see?」

「知るかっ!!!」

『政宗さんっ!!?』



かすがさんから突き付けられたランチのナイフをフォークで受け止めているのは、同じ大学の今は後輩にあたる政宗さん

私の隣にいつから居たんですか。余裕で笑う彼の頭にかすがさんの拳骨が決まる




「いてぇな何しやがる」

「去れ!今は女子会だ、男のお前が乱入するな」

「じゃあ今からは合コンだな、待ってろ軍神を呼んでやる」

「え……って、騙されるかぁあぁっ!!!謙信さまはそんな不埒な誘いには乗らない!いいから帰れ伊達政宗っ!!」

「仕方ねぇな…よし雪子、帰るぜ」

「お前だけ帰れ!」

『まぁまぁ、かすがさん落ち着いて』



喫茶店の真ん中で美男美女が喧嘩してると目立って仕方ないですよ

絵になる二人なんだから、せっかくだし静かにお茶すればいいのに…



「Hey、嫉妬か雪子?安心しろ、オレが寝ても覚めても考えてんのはアンタの―…」

『あ、もしもし片倉さん、お仕事終わりました?お疲れさまでーす』

「は……って、小十郎に電話すんなっ!!って、テメェかすが!放せ!」

「いいぞ雪子!片倉に洗いざらい告げ口しろ!」



もしもーしと片倉さんに電話した瞬間、政宗さんの表情がサーッと曇った

生まれ変わった今でも彼には弱いらしい。そして片倉さんも電話に出た一言目で「政宗様か」って



『よく解ってますね片倉さん』

「まぁな、すぐに出るからしばらく辛抱してくれ」

『あ、いや辛抱だなんて。どうせなら皆でお茶でも…うわっ!!?』

「伊達っ!!逃げるならお前だけでいい、雪子を引っ張るな!」

「Ah!!?こちとら今日は雪子と過ごすと決めてんだ!邪魔すんな!」

「お前が先に私の邪魔をしたんじゃないか!って、だから雪子に触るな!」

「いつもは毛利の目が光ってやがるからな!このチャンス逃し―…うぉっ!!?」

「いいだろう表へ出ろ!二度とこいつに触れられないよう私が…!」

『……やっぱり迎えに来てください』

「……おう、」




任せろと答えて電話を切った片倉さん…やれやれ、時代を越えても何度でも、彼の気苦労は絶えないらしい




『政宗さんも変わらずですね…』

「Ah?そりゃ昔のオレと比べてか?」

『そりゃ…私は今世の政宗さんとはまだ付き合いが短いですから』

「別々に考えるんじゃねぇぞ、今も昔もオレらは変わらねぇしそのために前世のケジメと今世がある」

『…………』

「おい伊達!そんな昔話をするんじゃない!」

「悪い悪い、男は昔を気にするタイプなんだよ。女みたいにサバサバしてねぇんだ」

『…政宗さんはネチネチに見えないんですけどね』

「そりゃ何よりだ」




いつの間に頼んだのか、運ばれたコーヒーを飲んでニヤリと笑った彼

その様子にムッと顔をしかめたかすがさんも、食べかけていたデザートを口にする



「言っておくが、そんな女々しい奴に雪子はやらないからな」

「そりゃ女を女々しいとは言わないからな。あとアンタも姉貴面かよ勘弁してくれ」

「当たり前だ!雪子を泣かせるお前なんか認めるかっ」

『かすがさん、かすがさん、声が大きいですって』

「泣かせた後のケアもバッチリしてたつもりだ」

「泣かせる前提のケアなんか論外だろう。これだから男は女心が解らないんだ」

「さっきは女々しい男は駄目だって言ってたくせにな」

「このっ、ああ言えばこう言う…!」

『諦めましょう、政宗さんはたぶん口から先に産まれた部類の人です』



さっきと違い今度はケラケラと楽しそうに笑いだした政宗さん

ほら、何だかんだで三人で一緒に過ごしちゃってます。こういうサラッと輪に入っちゃうのが政宗さんのスゴいところなんだろうなぁ




『…やっぱり、今も昔も変わらないです政宗さん』

「やっと気づいたか?そして惚れ直しただろ」

『あれ、私が惚れてる前提になってますよおかしいな』

「言わなくても伝わってるってことだぜHoney、」

『あ、片倉さーん!こっちでーす!』

「Shit !!」




やべぇと逃げる彼をまたかすがさんが捕まえる

観念してください政宗さん。ほらこれも、昔と変わらないやり取りなんですから






20131218.
お月様なお二人と。月トリオは美人揃い…!


mae tugi
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