鰐、拾いました

2011/01/30 22:31

コスタリカというところで、怪我を手当てしてもらった鰐が拾ってくれた男性に懐いたそうです。

以下妄想。




顔に真一文字の傷を負い、左手を負傷した男を拾った。あの辺りは凶暴な鰐が棲息しているから、襲われでもしたのだろう。
数カ月手当てをすると男はみるみる元気になった。ただ肌の青白さだけは変わりなかったから、きっと生来あんな色なのだろうと思った。
情がわかなかったわけではなかったが、元気になったのならいつまでもうちにいる必要はないだろうと外へ連れ出す。何度聞いても男は名乗らなかったから、きっと相手もその方がいいのだろう。
男を拾った地域の、鰐の出現しない辺りに車を停める。ここなら自分の家へ帰りやすいだろうという配慮だ。おれって優しい。
……が、男は車を降りなかった。

「?おい、」
「借りを作りっぱなしなのは釈なんだ」

そう小さく告げる男はこちらを見ない。どうやら、言おう言おうとして言いそびれていたらしい。礼がしたいならそう言えばいいのに。素直じゃない。
そんな男の名前はクロコダイルと言うらしい。つくづく鰐と縁のある男だと笑うと、てめぇは鳥野郎だろうがと怒られた。


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