Godangel | ナノ
3
『ねぇワタル、僕旅に出るよ』
隣にいる彼女からこの言葉を告げられた時、俺は飲んでいるお茶を噴出した
ゲホゲホゲホと思わず咳き込む
コヨルは相変わらずのポーカーフェイスで汚いなぁなんて言いながらタオルを取り出してくれた
俺の噴出したお茶を拭き終わった後、コヨルは真剣な目でこう言った
『僕は、チャンピオンの原石を知っている』
俺は驚いた
コヨルに不思議な力があるのはわかっていた
だが、ここまでとは知らなかったのだ。ましてや、これから現れて俺を破るトレーナがいるなんて今は想像もつかない
だいたい、俺のところに来る前に四天王がトレーナーをめっためったにしてしまうであろう
それぐらい、強いのだ
『・・・そのうち、来るだろうなぁ・・・・今のところは、2人』
そう、マサラから
淡々と語るコヨルに頭が追いつかなくなってきた
『そのトレーナーたちを僕は見守りたいんだ』
ふ、と笑みを見せるコヨル
俺がその笑顔に弱いのを知ってかしらずか、コヨルは俺の手をぎゅっと握った
『だから、僕は旅に出るよ』
くそ、そんな綺麗な笑顔で言われちゃ断れないじゃないか
コヨルを心配しながらも、俺はしぶしぶ旅に出る許可をしてポケモンリーグに報告に行くのだった
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