Godangel | ナノ
17
グリーンの最後のポケモンが倒れた。
わぁぁぁ、と観客席の方から歓声があがる。勝った、勝ったのだ
僕は、チャンピオンになったのだ。まだ実感できないが――
「やっ・・・た」
隣にいるピカチュウにありがとうと微笑む。コイツのおかげだ
「ありがとうっ・・・みんな!」
ポン、ポンとボールの中から仲間が出てくる。ありがとうという気持ちが溢れて目の前が滲む
「おい」
ふと声が聞こえて後ろを見れば、グリーンが手を差し出している
「おめでとう、レッド」
「ああ、ありがとう」
その手を握り返して、微笑した
「おめでとう、レッド君」
「ありがとうございます・・・」
ワタルさんだ。こっちへおいでと言われて、グリーンと一緒について行く
記者たちは入れないようで、いつのまにやら来たオーキド博士に止められていた
「さぁ、ここからは君達だけで行ってくれ」
「え?えっと・・・オレの時は、ワタルさんとじいちゃんが・・・」
「いいから、さぁ」
トン、と背中を押されてグリーンと顔を見合わせて歩き出す
光がうよよよんと目をつく。なんだか不思議な空間だ
一瞬フラッシュを使ったみたいに目の前が明るくなった。
それに思わず目を閉じる
そして次に目に入ったのが
『おめでとう、レッド君』
綺麗に、ふんわりと微笑む
コヨルだった
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