Godangel | ナノ
13


レッドは昔から、感情を顔に出さない子供だった
ソレ故に、大人びていて同じ年齢層の子供からは浮いていたように思える

年齢層に会わない大人びた顔立ち、それに赤い瞳
中には、ソレを怖がる子供もいた

どんな非難の言葉を浴びせられても、彼は決して負けなかった
それは、精神年齢が普通より高く。それでいて、彼が冷静だったから

唯一彼を拒絶しなかった子供と言えば、幼馴染だったグリーンだろう
そのグリーンも緑色の瞳を持ち、それでありオーキド博士の孫という立場におかれていて、何をしても”オーキド博士の孫だから”と周囲から言われ続ける
それはグリーン自身の能力だったとしても、周囲は”オーキド博士の孫”という理由でグリーンの実力―――グリーンを認めようとしなかった
それはグリーンにとって、最も辛いことである

レッドとグリーンは何所か似ていた
正反対の二人だが、その間には絶対的な信頼と、強い強い絆が在る
それは長年一緒にいたこともあるが、それ以前に理由があった




そう、ポケモンだ



彼らが8歳の時に、新しいチャンピオンが世間を騒がせた
容姿はコートやマフラーを着用していて不明、性別も不明、だが唯一明らかになっていたのが、それは歳が幼いと言うこと
詳しい年齢は不明だが、自分たちより年下だったことは確かだっだと言えよう
テレビで一瞬だけ見たシルエットは、まだ120cmにも満たないとても小さな身体をしていた

それが彼等の始まりだった
彼等は、そのチャンピオンに会うことを強く望んだ
憧れと同時に、自分の夢でも在り、そして―――


自分を解ってくれる気がしてならなかった。
ソレは、なぜなのかはまったく解らない
だが、二人はなぜかそう感じていた

”会いたい”

それが二人の目標であり、そして願いだった



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