改めて、理解

夕食の時間に鯰尾藤四郎と骨喰藤四郎が俺を呼びに来てくれた。

料理はすげぇ美味くて誰かと思えば燭台切光忠と歌仙兼定、短刀のみんならしい。めっちゃ褒めた。

「へし切長谷部ー。」

そして今はへし切長谷部を探す旅に出ている。へし切長谷部の名を言いながら廊下を歩く。

「長谷部さんならお風呂に入っているよ!」

ひょこっと襖から浦島虎徹が顔を出した。

「おー、わざわざありがとうな。」

「へへっ、どーいたしまして!」

礼を言えば嬉しそうな顔をして部屋の中に戻っていった。へし切長谷部が出るまで審神者部屋で待っていよう。



「主っ!」

部屋でのんびり過ごしているといつの間にか俺の目の前にいて驚いた。

「お、おう…」

「すれ違った奴らに主が俺を探していることを知りました…!すぐに駆けつけることが出来ず、すみません…」

片膝を床につき片膝を立てるように跪く。タオルを首にかけ髪の毛は濡れていた。

急いで来たんだよな…多分。

「別に大したことじゃないんだが…」

俺はタオルを手に取りへし切長谷部の頭をわしゃわしゃした。

「ッあ、主?!」

「…ん?うん。」

とりあえず一緒に買い物付き合ってくれねぇ?





まだみんなが寝ている早朝。

「長谷部ー。準備できたかー?」

「はい、いつでも準備万端でございます。」

今朝こんのすけに買い物できる場所を聞くと町にある万屋がいいと言った。

地図を貰ったけど読める気もしねぇから、一番理解ができそうなへし切長谷部に頼んだ。

玄関にある靴を履く。



「…主。」

「…!」

大和守安定が俺の服の裾を掴んだ。泣きそうな顔。

「今日中に帰ってくる。」

「…本当?」

俺は頷いた。

「だから俺がいない間は泣くんじゃねぇぞ。」

後ろを振り向いて抱きしめる。俺なりに優しく。

「っわかった…!」

抱きしめ返す大和守安定は改めて小さいと思った。

「いってきます。」

「いってらっしゃい…主!」

ついさっきまで泣きそうになってたのが今では安心したような笑みを見せている。大和守安定の頭を撫で玄関を出た。

「へし切長谷部。」

「はい、何でしょうか。」

「早めに買い物済ますぞ。」

「はい!」

あんなに小さくてすぐに壊れそうなもんなのか。

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