キレイにしようか

「その前にこいつらを綺麗にしないとな。」

広間に並べられた刀達を見た。

「どうして?」

こんのすけと大和守安定は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。いや俺がはてななんだが。

「綺麗な方がいいだろ?ずっと埃被ってると変な病気にもかかるし…それに…元が綺麗なのにもったいないよな。」

「審神者さま…っ!」

なぜか感動していた。

「それじゃあ…大和守安定は水をくんできてくれないか?こんのすけも手伝いに行ってくれたら嬉しい。」

「わかった!」

「お任せください!」

一人と一匹は張り切って広間から出て行った。

「はぁ。」

もう具体化できるって感じになってるけどできないかもしれないんだぞ。俺自身霊力あるって実感がないし…なにより俺に審神者の仕事は向いていない。

俺は戻ってくる間まで空を眺めていた。

「我々は、病気にはかかりませんよ。」

後ろから聞いたことのない声がした。

「…誰?」


「私は太郎太刀。貴方が運んだ大太刀です。」

振り返ると綺麗な顔立ちをしたでかいやつが立っていた。

「えっと…状況が全く飲み込めないんだが。」

「…そう、ですよね。私は何を説明すればよろしいですか?」

動きがゆっくりというか、おしとやかっつーか。

「いつから記憶があったんだよ。」

「貴方が私を運んでるときからです。重かったでしょう…一度も地面に置くことなく運んでくださって。」

最初から知ってるのか。

「なんで太郎太刀だけ人間の姿になったんだ?」

「貴方は気づいていないと思いますが運んでるときに貴方の手から霊力を受け取りました。」

「え。」

…まじ?全然わかんねぇ。

「貴方達の会話が面白くてついつい聞き入ってしまいました。」

真顔で何を言うんだよ。

「…なるほど。」

つまりどういうことだ。

「まぁ、私は貴方と共に過ごしたいと思ったまでですよ…主。」

「お、おう。」

何はともあれ太郎太刀が仲間になった。



「主っ!具体化できたの?!」

水がいっぱい入っているバケツを持って目をキラキラさせていた。

「できたっていうか…してくれた?」

「すごい!」

「さすがです!」

話聞いてくれ。

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