浮気性の彼
「おはよう、岳人。」

部屋の扉を開ける。

置いてあるベッドに繋がれとるのは岳人。

ここ一週間、岳人はずっとココにいる。

俺が、監禁してるから。

「よう眠れたか?」

ビクリと体を強ばらせて目をそらす岳人。

悪いんはお前やろ?
また俺が居ない間に他の男のところ行っとってたの、知っとるんやで。

もうしない言うたやん…なんでまた約束破るんや?

「岳人。」

「…。」

「岳人!」

顔を無理矢理こちらに向かせると怯えたように見上げてくる。

「…なんやねん、その顔?悪いんは岳人やろ。」

「っ…!ごめ、なさっ…」


バチンッ!


「っい、た…」

震える岳人の頬を叩く。

ごめんはもう聞き飽きた。これで何回目?
なぁ、その浮気癖はいつになったら直るんや。

もう一度手を上げ、今度は若干強く叩く。

何度か繰り返すと岳人の白い頬が赤くなってくる、と同時に涙が頬を伝い落ちてきた。

「い、たぃ…!ひっ、くっ…うぇ」

「俺かて、こんな事したくないんやで?けど岳人が何度言うても聞かへんから…」

泣きたいんは俺や。ほんまは岳人のこと叩くんも心臓潰されるみたいに痛い。

「…ゆ、うし?」

目を丸くした岳人が俺を見る。
あぁ、俺泣いてるんや。

「岳人…頼むから俺だけ見てて…な?」

もう何処も行かんといて。

やないと俺、どうにかなってしまいそうや。

「侑士…おれ、ごめん。もうしないよ、しないから。ずっと侑士だけ見てるよ…?」

言い切った岳人の唇に噛みつくように口付ける。

岳人、岳人…次嘘ついたら、俺お前の事…

殺すで?


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