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Origin.


 衝撃の告白


「まさか、お前がなァ。…なんだ、ヤったらできたからか。」
「違うわ! お前と一緒にするなデスマスク!」
「本当に結婚したのか?」
「あ、当たり前だ…!」


そして一気にカノンは彼らに囲まれる。カノンはどこか頬を染めて照れながら声を張り上げていた。
それが更に結婚した証明ともいえよう。皆驚きの表情を隠せないでいた。


「ふむ。まさかカノンがとはな…。」
「見た目からでも分かるが、カノンの奥方はかなりの包容力の持ち主だな。そしてかなり優しいと見える。」
「ですね。なんたってあのカノンと共にいるのですから、相当のものだと考えられます。」
「お前らな……!!」


悪びれもなく言うシャカ、アルデバラン、ムウの言葉に、カノンが顔をひきつらせた。
そこにアイオロスが苦笑しながらカノンの肩に手を置く。


「だが、本当にびっくりしたよ。まさか、…カノンが結婚とは……。」
「…まぁ、俺も予想外だったが、な…。」


ちらり、と沙織と会話を弾ませているナマエを一瞥するカノン。


「しかも子がすでに2人とは。何歳なんだ?」
「カイが2歳で、ティアが生後数か月といったところか。」
「父親だな……。」
「まぁ、な…。」


アイオロスの言葉に、カノンは些か照れたように、頬をかいた。と、カノンは辺りを見回す。
そういえば一番飛びついてきそうな奴が無音なのだ。どうしたのだろうか。


「アイオロス、サガのやつはどうしたんだ。」
「あ、あぁ……その、」
「?」


アイオロスは歯切れ悪く答えると、ゆっくりと後ろを指した。カノンもそちらを見やる。


「げ。」
「…と、なるだろう?」

「カノンが、カノンが、カノンが、け、けけけ結婚、カノンが、私に何も言わず、結婚!しかもこっ、子ども、が…!!これは私の幻覚か!幻覚なのか!まさかこの私が幻朧魔皇拳にでもかかったというのか!馬鹿な、この拳は我が拳であって…っは!まさか鳳凰か!彼が私にしかけてきたというのか!?」

「お、落ち着けサガ!」
「そういう君が落ち着いたらどうだい? シュラ。」
「いや、だがなアフロディーテ!」
「まぁ、けどショックだよな…。」
「うぅっ、カノンが、カノンが結婚なんてっ……!!」

「……と、先ほどからこの調子だ。」
「あれは、…ひくだろう……。」
「だが、実の弟が内密に結婚なんてしてたら、ああなるだろ。」
「…………。」


アイオロスの言葉に、カノンは口を閉ざした。
目の前にはひたすらに涙を流し壁に手をついて俯いているサガの姿。
そして、その周囲には慰めるように数人の黄金がいた。


「カノンさん、やはりせめてお兄様には伝えておいた方が良かったんじゃないかしら?」
「ナマエ……。」


いつの間にか隣に来ていてナマエが、サガの様子に苦笑をしながらそう告げる。
カノンもまいったと頭をかいて、サガに近づいた。


「…おい、サガ。」
「っ…カノンっ…カノン! お前はどうして私に黙ってよ、嫁などとった!!
結婚する前に私に報告するべきだろう! だいたいっ、だいたいその…こ、子どもまでっ…。」
「…泣くか話すかどっちかにしろ。」


はぁ、とカノンは溜め息を吐いた。と、ナマエがサガの目の前まで寄ってくる。


「あの、サガ様。ご挨拶が遅れてしまい、大変失礼いたしました。
そして、ご兄弟に告げることなくこのような、…本当にすみません。」
「なんだナマエ、サガにそう謝ることはないだろう。黙るようにしたのは俺なんだからな。」
「カノン様、けれどいくらなんでもこれは…サガ様が衝撃を受けています。」
「あぁ、かなり受けてるな。というか、様づけするなと言っているだろう。」
「もう……。」


ナマエは眉をハの字にして、困ったように微笑む。
サガはそんな彼女と、嫁に対して温かく微笑むカノンの姿を見つめる。
そして、ぐっと涙がこれ以上流れるのを堪え、ナマエを見つめた。


「うっ…ナマエさん、でしたか…。」
「え、えぇ。」
「……こんな愚弟ですが、その…宜しくお願いします。」
「! …サガ……。」
「サガ様…えぇ、精一杯、尽くさせていただきます。」


微笑みあうサガとナマエ。カノンは一時目を見張るも、すぐに微笑んだ。
と、彼女と手を繋いでいたカイが声を上げる。




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