1万打記念 | ナノ

Origin.


 衝撃の告白


「ままー、おひるはー…?」
「そうね、もう少し待てるかしら?」
「もうおなかぺこぺこだよー!」


母親の手を引っ張り、我慢できないと足踏みをするカイに、カノンは苦笑をしながらその頭を撫でた。


「何だカイ、食べてきたばかりだろう。」
「でも、おなかすいたものはすいた……ぱぱーおひる―!」
「もう少し我慢しなさい。そしたら食事に連れて行ってやる。」


カノンの言葉に、カイは大きな瞳で彼を見上げ、首をかしげる。


「ほんとー?」
「あぁ。」
「わーい、じゃあカイがまんするー!」
「よし、えらいぞ。さすが俺の子だ。」
「へへへー!」


そんな親子の様子をみて、更にあんぐりとする黄金。
沙織もまぁ、などと頬に手を当てていた。そしてカノンに対し、やんわりと微笑む。


「良い父親ですわね、カノン。」
「っ…いえ、そのようなことは……。」
「くくっ、照れてんのか。」
「やかましい!」


そんなかんなで、その晩、改めてカノンらの結婚記念と、妻と子どもたちの歓迎会を催された。



「カノンさん…。」
「なんだ、ナマエ。」
「皆様、いい人ばかりですね。」
「…ふ……あぁ…そうだな。」


2人はにぎやかさを背中に受け、寄り添いながら夜空を見上げていた。


「私を呼んでくれて、ありがとう。」
「それを指示したのはアテナだ。」
「けれど、最終的に承認したのは貴方でしょう?」
「…あのな。」


困ったような口を閉ざすカノンに、ナマエは柔らかな笑みをこぼした。


「ふふ、分かってますよ。
貴方がどうかは分からないけど、私は皆様に会えたことをとても嬉しく思います。」
「……お前がそう思うなら、俺は何も言うまい。」
「……カノン、さん。」
「離すつもりはないぞ。一生だ。」
「えぇ。私も、離れるつもりはありませんもの。」
「ふ…さすが、我が妻なだけあるな。」
「そうでなければ、やっていけません。」
「……。」
「ふふっ、なーんて!」
「…ふ…今夜は楽しめ。ガキたちも今日くらいはいいだろう。久々に息抜きを。」
「えぇ。」


そうして2人は、またにぎやかな彼らのもとへと歩みだした。

夜空に輝く星が、2人の背中を静かに見守っていた。



End.
息子がカイくん、娘がティアちゃん
固定とさせていただきました。

アトガキ



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