頂き・捧げもの | ナノ
sweet prison
「最近、ナマエが変わったように思う。
俺は……あまり喋る方でもないし、女性と付き合うのも初めてで楽しませ方もよく分からん。
だから愛想を尽かされたのではないかと…」
自分で言っていて酷く情けない。
落ち着かずカップを回したり撫でたり。
ちらりとナマエを見るとまだ顔をしかめている。
「私、変わった？」
「………ああ。」
「どこが？
少なくとも私は浮気なんて面倒な事はしていないわ。」
正面切って直接聞いてくる辺りナマエらしいと言えるだろう。
浮気なんて、という物言いも彼女らしい。
「ナマエは最近俺と食事をしなくなった。」
「…………」
「………………」
「…………
え？それだけ？」
こぼれ落ちそうなくらい目を見開いて詰め寄る。
俺に向き合うように座り直して改めて顔を見た。
「それだけとは言うが、それだけが俺には大切なんだ。」
「あぁ、そうね。
それは……私がゴメンなさい。」
「何かあったのか？
理由があるならば俺とて無理強いはしたくない。」
「……………っ、
――た…のよ。」
「何だ？」
ちゃんと聞き取れず、思わず聞き返す。
ナマエは下を向いたまま俺の頬を左右に引っ張った。
→