頂き・捧げもの | ナノ

Origin.


 sweet prison



「――太ったのよ!
シュラと食事するようになって、甘い物をよく食べるようになって…
だから間食を控えてたの!」

「いひゃい、はなひへふへ。」

「と、ゴメン。
だからコーヒーもブラックにしてたの。」

「……太ったか?
変わらないように見えるが。」

「変わらないように努力してるのよ。
…太って愛想尽かされるの嫌だもん。」



むすっとしてそっぽを向く。

心なしか頬が赤い気がする。


それが可愛いくて気付けば抱きしめていた。



「ナマエ、疑ってすまない。」

「…私も紛らわしくてゴメン。」

「目、閉じろ。」



頬に手を添える。

髪を掻き上げて頭を撫でた。

当たり前のように唇を重ねるとブラックコーヒーの苦い味がする。

唇も舌も苦いがどんどん甘くなっていく。



「―――っん、ぁ………」

「……、ナマエ。」

「シュラのキス、甘いの。
いつもハチミツだとかメープルとか。
もっとしてほしくなる。」



目がとろんとして、息も少し上がっている。

甘い息が吐かれる度に心臓が張り裂けそうに締め付けられる。



「ナマエは………全部甘い。
悪いが今日は帰さない」

「へ?」



ナマエを抱き上げ寝室へ向かう。

意味が分かったのか顔を真っ赤してナマエが叫んだ。



「シュ、シュラの悪食ー!!」



じたばたもがくナマエにまたキスをすれば腕の中で小さく丸まった。

それでも本気で逃げ出さないのを見れば、どっちが悪食だと小さく笑ってしまう。


ベッドに横たえたナマエにしたキスはやはり甘かった。




End.(next.お礼コメ)



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