頂き・捧げもの | ナノ

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 骨の髄まで



「このラインが堪らないな。」

「ナマエ、変態くさい。」

「構わない。
変態の称号一つで聖衣を撫で回せるなら私は喜んでそれを甘んじる。」

「………はぁ。
なら俺聖衣脱ぐから待ってろよ。」

「まあ…それでも良いが……
私はその状態が好きなのに。」



蠍型も鎧型も好きだろうが、俺を好きでなければどちらでも同じだ。

ナマエは美人だが変人だ。

見た目は人形のように可愛らしい。

目を見張る程に人目を引くのに、口を開いたら……その、残念だ。

研究員とはそんなものだと言っていたが、多分ナマエが特別変なんだと思う。


最初に抱き着いても良いかと聞かれた時に高鳴った俺の胸の鼓動を返してほしい。

その時はナマエの人となりなんて知らなかったから、俺に惚れたのかと期待もしたが…



「ほら、好きなだけ愛でると良い。」

「ありがとう。
しかし残念だ。」



ふぅ、と溜め息を吐くナマエにこっちのが溜め息を吐きたいと頭を抱える。


――ん?

近くにカミュの小宇宙がある。



「ミロ、通らせてもらうぞ。」

「ああ、買い物か?」

「明日氷河達が来るのでな。」



嬉しそうに言うカミュにこっちまで和む。

カミュがナマエに気付いて挨拶をする。



「相変わらずだな、ナマエ。」

「やあ、カミュ。
ご機嫌麗しゅう。
今日もスコーピオンにフラれたよ。」



―――これだ。

ナマエは俺以外の奴らはきちんと名前で呼ぶ。

俺だけスコーピオンだ。

これは特別じゃなく、差別だと思うんだ。


カミュを見送ると、ナマエはまた聖衣に抱き着く。

愛しそうに聖衣を撫でる。

なんで、中身じゃなく聖衣なんだ。





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