妻はどうやら好きな物の多い性質で、贈物が何でもよく微笑み、疑って理由を問うても答えに詰まることがなかった。 たとえば。「美しいから、不変でいてくれるから、あなたがくれた物だから」、嬉しいのだと。植物標本をやった時だ。あの時は、理解できなかった。 培養液の棺。低い稼働音は、いつかの海のさざめきに似ている。