3.君を待つ雨の午後
高校生になった俺たちは別々の高校へと入学していった
そんなある日、俺はある喫茶店で彼氏を待っていた
そう、俗に言う『デート』と言う奴だ。今日はお互いの学校が午後で終わりだからデートをしようって話になった
でも、まさか雨が降るとは思わなかった
これではデートは難しいかもしれないな
「晴矢、遅いな」
俺の待ち人である南雲晴矢は俺の彼氏だ。俺は頼んでおいたコーヒーを一口飲んでから窓を見る
「早く来ないかな?俺、寂しいよ...............晴矢」
テーブルにうつ伏せにして目を閉じる
中からは喫茶店らしい音楽が流れ外からは雨の音しかしなかった
「晴矢..........晴矢........」
何度も何度も彼の名前を呼んだが彼が来る気配はなかった
でも、外から雨の音ともう一つの音が聞こえてきた
それはーー
ぱしゃぱしゃ
「晴矢?」
俺は顔をあげる
すると喫茶店のドアが開いた
そこには俺が待っていた晴矢がいた
「ヒロト!」
「晴矢!遅かったから何かあったのか心配してたんだよ」
「わ、わりぃ..............学校はすぐに終わったんだけどよ茂人に捕まってさ何かの手伝いしてたら遅くなっちまった。本当にごめんな」
「そっか、茂人がね。それに謝らないでよ、晴矢」
俺は晴矢が来てくれただけで嬉しいんだから
待ってる間、確かに淋しかったけど晴矢なら絶対に来るって信じてたから俺は大丈夫だったんだよ
「よし、行くか」
「どこに?」
「俺の家だよ。こんな雨じゃ何処もいけないだろ」
「いいの」
「あぁ。それに久しぶりに2人っきりになれるだろ」
「/////う、嬉しい!晴矢、大好きだよ」
「俺もだ、ヒロト」
それから喫茶店を出た俺と晴矢は雨の中傘をさして晴矢の家に向かった
家で何をしたかは誰にも言えない秘密
だって、知られたくないからね
(ね、晴矢。今日、泊まってもいい?)
(あぁ。泊まっていけよ。沢山愛してやるからさ)
(嬉しい、晴矢)
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