5.体育館の裏(雪村豹牙・甘)

体育館の裏といえば定番の告白タイムやファンクラブの女の子達に呼び出されてはいじめに会うような場所である

そう。今日はここである女子生徒がファンクラブの子達に呼び出され体育館の裏に向かっていた

「よく逃げ出さずに来たじゃない、風見さん」
「何かご用でしたか?先輩方」
「当たり前よ!雪村君と一緒にいる貴方を許すわけにはいかないわ」
「はぁ........下らないですね。そんなことで呼びつけたんですか?」
「下らない........ですって」

ほんと、下らない。雪村君と一緒にいて何が悪いんだ。私と雪村君は付き合ってるんだからいて当たり前じゃないかって言ってやりたいけど言わないでおこう

「そうですよ、下らないです。話ってそれだけですか?終わったのなら教室戻ってもいいですか?」
「いい気にならないでよ.......アンタなんか死んじゃえばいいのよ!!」
「っ!」

(ナイフ!!やばい、こっち来る!!)

私は咄嗟に目をきつく瞑るが痛みはなく刺された感覚もなかったのだ

「ぶ、無事............って!!雪村君!!」
「くっ........」
「ゆ、雪村君........」
「祐奈にこれ以上手ぇ出したらただじゃおかないからな!!」

雪村君はナイフを掴んだまま上級生の先輩方を睨みつけていた。睨まれた先輩方は怖気ついたのか走って逃げていった

「雪村君、大丈夫!!」
「対したことじゃないから大丈夫だ。それより.........」


ぎゅ


「ゆき.......むら.....く.....ん」
「あまり心配かけるな、バカ」

ナイフを投げ捨て雪村君は力強く私を抱きしめてくれた

「ごめんなさい........」
「全くだ、バカ」
「は、はい.......」
「でも、無事でよかった。何もされてないか?」
「うん、大丈夫。あ、それより保健室行って手当てしなきゃ!!」
「対したことじゃないから平気だ」
「私は平気そうに見えないから!!ほら、手出して」
「ん.......」

雪村君はおずおずと手の平を見せると血はどんどん溢れ出てきていた

「ほらね。さぁ、保健室行くよ」
「あぁ」

雪村君と私は手を繋いで体育館裏をあとにした

保健室についた頃と同時に昼休みの終わるチャイムが鳴り響いた



(これは、サボり決定だね)

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