No.20 グランとしての君に甘いキスを(グラン編)





ついに俺は祐奈をこのエイリア学園から連れ出すことにした



これ以上ここにいたら危険だと判断したからだ
もし、研崎に捕まれば祐奈までエイリア学園のメンバーにされてしまう。それだけはなんとしても避けなければならない

「祐奈、そろそろ行こう」
「うん.......」

俺は祐奈の手をしっかり繋ぎ廊下を走る



エージェントに見つかればそこで終わりだがあいにく今のところはいないからスムーズに廊下を走ることができついに外に出ることができた

「よし、しっかり捕まっててね」
「う、うん」

俺は黒いサッカーボールを使い転移移動した


着いた場所はどうやらキャラバンより少し遠い位置に俺たちはいた

「よし、行こうか」
「ここ何処?」
「樹海ではないみたいだね........沖縄かな」
「沖縄?」
「うん。ほら、海があるからね」
「ほんとだ」
「暗いからしっかり捕まってるんだよ」
「うん」

俺たちは暗闇の中、イナズマキャラバンを探す旅(?)が始まった





これは俺(グラン)と祐奈の最後のひと時の物語(ストーリー)





No.20 グランとしての君に甘いキスを(グラン編)


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休憩を取りながらなんとかキャラバンの近くまで来ることが出来た

これで祐奈とお別れなんだと思うとなぜか手を離せなかった

まさかこの俺が寂しくなるなんて思わなかった
だから祐奈をギュッと抱きしめたくて腕を引いた


ぎゅ

「グラン.........ありがと」
「このときになって俺のエイリアネームを呼ぶんだね」
「だって、次は敵同士になってしまうのでしょ?だったら今言わないでどうするの」

祐奈は俺の背中に腕を回してギュッと抱きついた

「そうだね。敵同士になるんだね..........俺たち」
「うん。でも、忘れないよ。バーンやガゼルと喧嘩したところとか」
「くすっ。それは忘れてほしいかな」
「ふふっ.................ね、キスして」
「いいよ.............忘れられない甘いキスをね」

俺は祐奈の顎を少し持ち上げそっとキスをした

「ふっ.........ん.......」
「んっ........」

触れるだけのキスから深いキスになって息も忘れるくらいキスをした


__________

「それじゃ、もう行くね」
「うん。次は敵同士だ」
「今度はジェネシスに勝ってみせるわ」
「うん、楽しみにしてるよ.................あと、緑川のことよろしくね」
「うん!任せて」

祐奈は俺に背を向け小走りにキャラバンに向かう
途中、こちらを振り返れば俺に聞こえるぐらいの声で愛の言葉を言ってくれた




『愛してるよ、ヒロト君』


祐奈は手を振りキャラバンの中にそっと入っていった

「俺もだよ........祐奈」

俺はキャラバンから背を向け歩き出す

「本当によかったのか?」
「ガゼルにバーン」
「ったく1人でかっこつけやがって」
「ごめんごめん。でも、いいんだよあれで。父さんに見つかってからでは遅いんだから」

そう。見つかっては遅いんだ
エイリア石によって強化された祐奈なんか見たくない

だからこれでいいんだ
いつか階級のない日が来たら円堂君達と楽しいサッカーがしたい

そして、いつまでも一緒に祐奈といたいな





(俺はもう一度キャラバンの方を振り返ってからガゼル達とサッカーボールの光と共に消えた)





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