No.17 敵陣!エイリア学園(前編)




目を開けるとそこは知らない天井で病院ではないのだと思い知らされた

薄暗い部屋
ここは、何処なんだろうか

ポケットに入っていた携帯を取り出し電話をしようとしたら新着メールが入っていた

私はメールを開くと目を見開いた
瞳子監督からでその内容は最悪だった

私は今、敵陣にいるらしい
そして拉致されたのではなく瞳子監督の判断でここに連れてこられていた

「嘘...........吹雪君.........皆..........」

瞳子監督はそんなことしない
多分、なんかの作戦かなにかなんだ

私は捨てられてない
皆に捨てられてない

何度も何度も頭で理解した
するとドアが開いたのがわかり私は横になって目を瞑った

ドアが閉まると誰かが入ってきたのがわかった
足音はだんだん近づいてきてベッドの前で足音が止んだ

「祐奈............」
「!!」

ヒロト君..........

「祐奈、ごめんね...........」

ヒロト君が?いや、グランが謝ってる

「ごめん............祐奈」

私はベッドから起き上がりグランを抱きしめた




No.17 敵陣エイリア学園(前編)


____________

「起きていたのか?」
「えぇ、さっきだけど」
「そっか.........」

離すタイミングを逃した
でも、離れたくなかった。だって、グランと名乗っていたとしても彼は『基山ヒロト』だから
だから離れたくなかった

「離さないのかい?」
「離れたくないだけよ...........確かに君は『グラン』かもしれないけど私にとっては『基山ヒロト』君だから離れたくないだけ」
「そっか......君は俺のことを『グラン』とは見ていないんだね」
「当たり前よ。例え貴方が髪を変えようと何しようと貴方の名前は『基山ヒロト』君よ」
「..........ありがと、祐奈。それとごめん」

おそらくヒロト君が謝っているのはこの頭に巻かれている包帯のことだろう

多少だがまだ痛みはあるが対したことはなかった

「大丈夫だよ。まだ、痛みはあるけど平気だから」
「でも!!俺がいけないんだから.....」

私はヒロト君から身体を離しヒロト君の頬に手を添えてその口を塞いだ

「ん!!」
「........っ//」

触れるだけのキスをしてから私は恥ずかしくなり横になって枕で顔を隠した

「祐奈........」
「寝た」
「起きてるでしょ」
「寝てます」
「祐奈..........起きないと襲うよ」
「っ!!///」


バッ


「あ、起きた」
「仕方なく起きただけ..........顔見ないでよ///」
「枕で見えないよ」
「剥がすんでしょ?」
「さぁ、どうだろうね」

怖い怖い!!
だ、誰かこの状況をどうにかして!

するとドアがいきなり開いた音がしたから私は多少枕から覗くようにしてみるとそこにいたのは私の知っているバーンとガゼルとか言う人がいた

「あーぁ、2人共邪魔しないでくれるかな」
「キャプテン会議に出ないで何してるかと思えば敵の女とイチャイチャしてんじゃねぇよ!!」
「全くだ」
「..........................」

この3人って仲悪いのかな?
私はなぜか苦笑してしまった
すると青いユニフォームを着た少年が私の前に立った

「ガゼル?」
「私の名前を覚えてくれたのだな」
「うん」
「あれ?ガゼル、祐奈と何処かで会ったのかな?」
「イプシロン戦で見ていたからな」
「あ、そうだね」
「忘れていたのか?君ともあろう者が。チューリップならまだしも」
「んだと、この厨二が

また、喧嘩が始まった
私はヒロト君に『会議行ってきなよ』と言うとヒロト君はいやグランは悲しそうな目をして私を見る

「そんなに俺が嫌いかい」
「あ、いや嫌いじゃないから!!」
「じゃ、そんなに会議に行ってほしいのかい」
「だって大事な会議なんでしょ?ね、ガゼルにバーン」
「まぁな」
「グランが居ないと始まらないからね」
「ほら、2人共そう言ってるんだしね」
「うん.............会議が終わったら戻ってくるから」
「うん」

私にそっとキスをしてグラン達は部屋を出た

1人になった私は寂しい気持ちがこみ上げて来た

「早く帰ってこないかな...........ヒロト君」

私は携帯をいじり始めた
みんなはどうしているのだろうか
吹雪君はどうなったのかを

電話はできないから秋ちゃんにメールを出すが返答はなかった

私は仕方なく横になることにした


_____________

暫くして誰かが部屋の中でやっている音で目が覚めた
するとそこに居たのは先程会議に行っていたグランがいた


かたかた

「ヒロト君..........」
「祐奈........おはよ」
「うん、おはよ」

私は上体を起こしてヒロト君の方をみると彼はパソコンをしていた

「キャプテンって大変なんだね」
「君の所のキャプテンも大変なんじゃないかい」
「どうでしょう。円堂君はゲームメーカーとか得意じゃないからね。しかも本人は大変なんて思ってないからね」
「円堂君らしいね。まぁ、そこも彼のいいところなのかもしれないね」

ヒロト君はパソコンの電源を落とし私がいるベッドに近づき腰を下ろす

「帰りたいかい?キャラバンに」
「帰らなきゃいけないからね」
「彼かい」
「え..........」
「君の思い人なんだろ?あのマフラーの少年は」
「あ...........ヒロト君には言ってなかったね。私ね好きな人を1人に絞ることができないの。でね、監督に相談なのかなして見たの。そしたらね『好きなら好き。それでいいじゃない』なんて言われたの。それ以来難しいことは考えなくなったわ。それで帝国学園の佐久間君と今はキャラバンの仲間である吹雪君とは恋人同士なの。まぁ恋人って呼べるのかはわからないんだけどね」
「そんなことないよ。その監督はいいことを言ってくれたんだね」
「うん。でね、さっきまでこの部屋に1人でいた時私ね思ったの................1人だと怖くて早く『帰って来ないかな』って思ったんだよ」
「!それって...........」
「///////」
「祐奈.........」
「ヒロト君はこんな私、嫌い?」
「そんなわけないよ。俺は祐奈しか見てない。こんなこと言ったら君の迷惑かもしれないけど.........俺は祐奈が好きなんだよ。祐奈しか考えられないんだ」
「/////ヒロト君!」


ぎゅ


「わっ!祐奈」
「ヒロト君、ヒロト君!嬉しい...........私も好きだよ//」
「うん...........今はこんな状態だけどいつか一緒になれたらいいね」
「うん............でも、なれるよ。絶対に」
「そうだね。それにライバルがいた方が燃えるからね」
「そ、そうなの?」
「うん。さて、父さんにばれない様に君をここから連れ出さないと」
「ヒロト君..........」
「ん?どうしたの」
「それは明日でいいから一緒に寝てくれない//」
「いいよ。寝ようか」
「うん」

ヒロト君は私の身体を包む様に抱きしめてくれた

なんだかいい夢見れそう
明日はキャラバンに戻ったら敵同士になるんだ

でも、いつか階級とか関係なしにサッカーが出来ればいいな







(祐奈の寝顔を見るのが最後なんてね)
(でも、仕方ないんだ)
(父さんのためにも..........)





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