 ／No.15 オトコだけの秘密(吹雪士郎編2) ＼ 病院へ続く道は僕にとって苦痛にしかならなかった でも、隣には祐奈ちゃんがいる。だから少しは安心ができる 「ねっ、祐奈ちゃん」 「どうしたの？吹雪君」 「あのね病院が着くまででいいから手繋いでくれないかな？」 あー僕は我儘だ。祐奈ちゃんだからなのかな？よくわからないが僕は祐奈ちゃんと手を繋ぐのが好きだし抱きしめるのも好き 完全に僕は彼女なしではダメなんだなぁ〜って思い知らされた すると、祐奈ちゃんは僕の手を取り繋いでくれた 「これでいいの？」 「うん。ありがとう」 「どういたしまして」 それからまた無言で病院の道を歩き始めた 染岡君に会って話したいことを話すんだ No.15 オトコだけの秘密(吹雪士郎編2) _______ 病院に着いた僕たちは染岡君がいる病室へ向かった こんこん ノックをしてみたが返事がなかった 「返事ないね........」 「うん.........染岡君、入るよ？」 僕は病室のドアを引いて中に入る。祐奈ちゃんも続けて入るが中は誰もいなかった 「染岡君、いないね........何処に行ったんだろう」 「............僕に会いたくないのかな」 「えっ？」 「だってそうでしょ？僕は豪炎寺君って人の代わりにはなれないし、それに『完璧』でもない。そんな僕に........」 「そんなことないよ！]」 「祐奈ちゃん........」 祐奈ちゃんは僕の手を取る 僕は少しだけ驚いてしまったけどぎゅっと握られている手を見てから祐奈ちゃんを見る 「染岡君はそんな人じゃないしそれに君は『アツヤ』君じゃない。完璧にならなくても君は強いんだよ」 「僕は.........」 わからなかった 祐奈ちゃんが必死に僕を励まそうとしてる。『アツヤ』じゃないこの僕をーー だから怖かったけど僕は聞きたかった 「祐奈ちゃんは『アツヤ』と『僕』どっちが好き？」 「吹雪君...........」 「答えてほしい.........」 「私は『士郎』君が好きよ。私は『アツヤ』君がわからないんだ。だから知りたいって気持ちが強い」 「僕も祐奈ちゃんが好きだよ。よかった...........」 「迷い始めたら次は言ってね」 「うん.............」 祐奈ちゃんは僕のことをわかってくれた でも、皆は？やっぱり僕は完璧にならなきゃダメなんじゃないかなって思ってしまう すると、僕達の後ろで懐かしい声が聞こえた 「なーにしけたツラしてんだよ、吹雪」 「！！染岡君」 「よっ、吹雪に祐奈」 「染岡君、一体何処にいたのよ！！」 松葉杖をついた染岡君が立っていた 「あー..........外にいたぜ」 「何で外にいるのよ！怪我してるんだから歩き回ったらダメじゃない」 「わりぃわりぃ」 「もぉー」 「それより、祐奈」 「ん？」 「わりぃが吹雪と2人だけにしてくれないか」 「...........うん。たくさん話してあげてよ」 僕は染岡君に腕を引っ張られ病室を出た 「全く、染岡君は強引なんだから」 __________ 「ったく、そんなことで悩んでたのかよ」 「そ、そんなことって..........」 「祐奈にも相談したんだろ？」 「うん」 「そっか............祐奈も心配してたからな」 「うん..........僕、染岡君が戻って来るの待ってるから」 「あぁ。絶対に戻って来るからな」 僕は染岡君とガッチリと手を繋いだ 染岡君と話せてよかった まだ『アツヤ』や『完璧』については解決してないけどここに来てよかった 「あ、そうだ」 「？」 「あいつ心配してたんだろ？」 「うん。2回も心配されちゃった;;」 「だったら甘えてやればいいじゃねぇか」 「えっ！」 「お前らさ俺から見たら『恋人同士』だからな」 「えぇぇ！！//」 ばれてたのかな？それとも染岡君は知ってたのかな？ 僕はおろおろし始めた。まぁ、普通になるよね........ 「やってみて損はねぇだろ」 「そうだね。じゃ、やってみるよ」 「おう」 染岡君との約束なのかな？こんな約束始めてだからわからなかったけど嬉しいからいいかな 病室の中に入ると祐奈ちゃんが座って待っていた 「おかえり、2人とも」 「おう」 「ただいま」 「それよりそろそろ帰るのか？」 「うん。瞳子監督には許可もらってるんだけどね」 「そうか。気をつけて帰れよ」 「染岡君、絶対にキャラバンに戻って来てね」 「あぁ。絶対な」 「じゃ、また来るね」 僕と祐奈ちゃんは染岡君の病室を出て病院を後にした でも、この時僕はいや祐奈ちゃんも染岡君の身に悲劇が起きたことなんて知る由もなかった その話は少し先の物語(ストーリー)で知ることになるだろう (染岡君とどんな話をしたの？) (秘密だよ、祐奈ちゃん) (染岡.........) (半田？) ≪＊≫ ← |