あの日から、私がカゼマル君を見かける事は少なくなった。
私の視力と聴力は今も健在だが、最近はそれを鬱陶しいとしか思えない。

授業中窓際のカーテンは最近閉めっぱなしだし、廊下でカゼマル君とすれちがってもその姿を目に入れないようにうつ向いてばかり。もうどうすれば良いのか。

ある日の昼休み、例の友達(男子)にお昼に誘われた。


「最近陸上部来ねーのな」
「………まあ」


うるせーよお前には関係ねーだろこの俺様マッハ様め。そんな事で話し掛けて来んならちょっとは英語の勉強でもしやがれバーカ。
大体、私をカゼマル君を運命の赤い糸で繋いだのはこの友達(男子)だ。お前のせいでこんなに傷付いているっていうのに、コイツは。


「……ま、何かあったんなら言えよ」
「………」


畜生優しいなおい!何こいつもしかして自分が私を傷付けたって気付いてる!?そうなのかそうなんだろテメェ!なんとか言えよオルァ!


「………意外と優しいんだね」


何となく恥ずかしくてイライラしたから怒りを込めて言ってみた。そんな驚いた顔してんじゃねーよバカ。


「ケッ、幼馴染みが悩んでるの放っておけねーだろ、普通」


バーカバーカ。種を撒いたのはお前なのに!そう言ってやったらさっきよりもマジで驚いた顔された。幼馴染みの恋心くらい気付けよ!


「最近な、宮坂って奴も…元気無いから何か繋がりあったんじゃ無いかと…」


何コイツ。まさか、私とミヤサカ君が付き合ってて喧嘩別れしたからミヤサカ君も元気無くなって私も陸上部に行かなくなったんじゃとか思ってるのかね!?残念ながらミヤサカ君とは話した事すらありませーん。
何で暗いのかは私も同じ理由だから分かってるけどな!


「ミヤサカ君が何で元気無いのかは分かる気がする」


うわぁ言っちゃった。何これ私がミヤサカ君のこと知ってるってバレちゃったじゃんどうするの。いや別に隠しておく様な関係じゃ…っていうかそもそも関係無いしな!
うん、だからやめよう。米粒を口のまわりにたっくさん付けながらこっちに身を乗り出して来ないで!
っていうか後輩君に自分から何か聞けよカウンセリングしてやれよ!それが先輩及び部長の役割である!




(130411)


6/12

*prev next#
目次



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -