ーぃ、
おい、少年。
何だ…?
誰が呼んでるんだ?
「お、起きたな?」
少年が目を開けると、緑としか言いようのない男が
自分の顔を覗き込んでいた。
「うわぁ!?」
少年は思わず仰け反った。
そんな姿を心外だと言うように男は不服そうな顔をした。
「酷いなぁ。傷つくんだよ、その反応。」
驚いたことを申し訳なく思うよりも、少年は
男に対する警戒心のほうが強かった。
(何か企んでるんじゃないのか?)
そんな少年の心を見透かしたように
男は笑う。
「まぁまぁ、そんな怖い顔しなさんな。
せっかくの綺麗な顔が台無しだぞ?」
少年は今まで、貶されてきたり
馬鹿にされたことはあっても
褒められたことは両親以外になかった。
反応に困った少年は男から顔を背けた。
(…?)
その時、視界に入った景色を見て
少年は大切な事を思い出す。
「ここはどこだ!?俺は、確かに死んだはず…。」
混乱しだす少年に男はやはり笑顔で言う。
「あぁ、確かに少年は死んだよ。だからここにいるんだ。」
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