わからないヤツにはお仕置きを。(1/3)
私は両手首についている飾り紐を一瞥して目の前の、この飾り紐の持ち主の青年を見上げた。
「神田さん、これはなんですか。」
「あ?言わせんのかよ。」
「言えないことなのかよ。」
会話して一分も経たないうちに変な発言をしようとしていた神田を軽蔑の目で見ていると神田はまるで自分の物のように座っている私のお気に入りのカウチから立ち上がった。
「お前、昨晩何してたんだよ。」
「あ?仕事だよっ!!」
思い出させるな!!昨晩は大変だったんだ!!せっかく出来上がった資料を室長のコーヒーによって汚されて眠たいのを我慢して徹夜に徹夜を重ねたんだよ!!
「どこで。」
「第三資料室!」
「誰と。」
「リッドと!」
「誰だよ。」
その資料を私と一緒に担当してた21歳タメの眼鏡野郎だよ!!そう睡眠不足でイライラしている私は一気に言った。すると目の前の神田は溜息をついて私をベッドに投げていきなりディープキスを噛ましてきやがった。
「んぅっ…!!」
いきなりの展開。何コイツ。任務でどっか打ってきたんじゃないの?弱いオツムがさらに弱くなったか。後で実験解剖させろ。
「っちょ、神田!!」
私は縛られてる手でなんとか神田の胸板を押し返したが神田の腕はひるむ様子がまったくない。
「お前、もうちょっと危機感持てよ。」
「何が!!」
「第三資料室なんて三日に一人くればいい程の無人部屋じゃねぇか。」
あぁそうだよ!!だから大変だったんだよ昨晩は!!使い慣れていない第三資料室で資料を作り直すなんてもう頼まれてもしてやんね!!
「だから何よ。」
「お前、そのリットに犯られてたかもしれねぇんだぞ。」
「リッドよ。それにそれはないわ。」
だってリッドは二次元しか興味がないオタクだから。と言おうとした瞬間、神田の手が私の胸を鷲掴みにしてきた。
「ちょ、やだっ!何してんの!?」
「あ?わかんねぇやつにはお仕置きだよな。」
は!?やっぱこいつおかしい!!前々からおかしいやつって思ってたけどとうとう逝かれたか!!
「何…?っていうか今なんつったの…?」
「わかんねぇやつには。」
「違う、その後!」
と神田は私の胸を無断に揉みながらニヤリと笑った。
わかんないヤツにはお仕置きを。
「キモイ!!!!前々からキモイ奴って思ってたけど本当にキモイな神田!!」
「お前、本当に殺したくなるほどウゼェな。」
ならその手をどうにかしろよ万年発情期蕎麦男!!神田は私の手が縛られているのをいい事にべたべたと私の体を触ってくる。首筋、鎖骨、腰、太もも、太ももの裏
「やめ、ろ…!!このヘンタイ…っ」
あたしは、眠いんだっ!!
寝かせてくれ!と言えば神田は私の鎖骨を舐めてこう言った。
「激しい運動の後がよく眠れる。」
アホか!!私はもう徹夜に徹夜を重ねていつでもどこでも寝れるんだよ!!運動しなくても泥のように眠れるんだよ!
「離せ!帰れ!ヤりたいなら一人で抜いてろ!!」
「はっ、帰るかよ。お前への調教が終わったら帰ってやるけどな。」
キモイキモイ!!マジでなんだこの男!!寝かせろ!眠いんだって!!なんて縛られていない足をバタつかせていると神田の手がするりと私の足を撫でた。それが!もう!!
「っ!」
気持ちいことなんの。
ただ撫でられただけでも私の体は完全に反応してしまった。サイアクだ。体の毛という毛が逆立ったようにぶわってなって体を震わしてた私を見た神田は嬉しそうに笑った。
「キモイ!!」
「まだ言うかよ。つーか早くあきらめろ。」
「…やっ…ぁ!!」
「ここはもう気持ちよさそうだぜ?」
と神田は私の下着を人差し指と中指で撫でて、私は思わず声を出してしまった。こんなに頑なに拒否してんのに私の体が彼の指を気持ちよく迎えていた事に私は顔を真っ赤にし、慌てて縛られてる手…ていうか手の甲で口を押さえると神田はそんな私をニヤニヤと見ていた。
「…まだ嫌か?」
あぁ、もう、本当にキモイ奴。
「……優しくしてくれる?」
「俺はいつも優しいだろう?」
アンタも、私も。