わからないヤツにはお仕置きを。(2/3)





「ねぇ、これ外してよ。」


そう縛られている手首を向き合って座っている神田の前に出した。すると神田は私の指にキスを落としてきた。丁寧に。や、そんな事をしてほしいわけじゃなくて。


「やだ。」

「やだじゃねぇよこのパッツン。」

「テメーが反省するまでこのままだ。」

「何プレイだっつの。」


うるせ、そう言って神田は私にキスをしてきて、舌を入れながら私のブラウスのボタンを器用に外していく。


「ん、…は、……」


ぷつん、ぷつん、と外されていくのがわかってなんか嫌だ、生々しくて。外し終えると次は直に胸を触られて布越しではない確かな神田の手のぬくもりに私は気持ちよくなっていた。


「神田、ねぇ、外して…。」


私にはこの紐が壁に見えた。神田と私を隔てている、壁に。このまま紐に縛られたままだと神田の心が遠くにあるような気がしたのだ。それは嫌だ。一緒がいい。


「これ、嫌だ。神田が遠くにいるようで、」

「あ?」

「外して…?」


そう神田を見上げれば神田は少し不機嫌そうな顔をした後、私の頬を大きな手で包んだ。


「もう野郎と二人きりにならないと誓え。」

「…仕事なんだけど。」

「誓え。」

「………はいはい。」

「ナマエ。」


強めに名前を呼ばれてどきっとした。ちょっと怖い。でも、怖かったけど、神田の目は今にも泣きそうな、十代の男の子の目をしていた。

あぁ、この子は、

私は神田の胸に身を預けた。半開きの神田のワイシャツに頬をあてて、暖かなその胸に小さくキスした。


「大丈夫だよ、神田。」


不安で仕方ないんだ。
一人になるのが不安なんだ。

だから私を気にする。縛る。独り占めにする。


「私は神田しかいないから。」

「…………………………………。」

「だからね、これ…。」


外そ?と優しく言えば神田は瞳をゆらゆらと揺らした後、手首の紐をとってくれた。その様子がまるで子供のようで、ううん、彼は18歳の、まだまだ子供だったね。

神田は縛られていた手首に優しくキスを降らしていった。


「ずっと俺の傍にいろ。」

「うん。」

「誰もいないところで野郎と二人きりになるな。」

「うん。」

「俺が任務から帰ったら一番に迎えに来い。」

「いや、神田が科学班に来い。」

「…………わかった、行く。」


そう頷いた神田の額にキスをして私が笑うと神田は私の唇にキスをして私の体をベッドに倒した。


「んっ、……ぁ…、」


神田は私の胸を優しく口で愛撫してくれながら中に指を出し入れしてきた。最初は一本、私がそれに慣れてくると本数を増やして二本、三本と。そして親指で花芯を撫でてくる。


「やぁぁぁ……ぁぁっ」


親指のちりちりとした感覚と中を出し入れされる快感に私はもう視界がぼやけてきていた。やばい、久しぶりすぎて、きも、ち、い


「すげぇ締め付けてくる…。」

「言、わないっで…、ぁんっ…ぁ、ぁ」


卑猥な水音が激しくなればなるほど私の声は淫らに口から零れた。そんな私を神田は熱い目で見つめて、もう逃げ場がない私はそんな彼の瞳を見つめ返す事しかできなかった。


「かぁ、…んだっ…んぁっ…ゃっぁ、ふっ」

「気持ちいい?」


そう耳元で、ぞくりとするような低い声で言われて私は夢中で首を縦に振った。神田はそのまま私の耳の中に舌を入れて耳の形をなぞるように舐めてきた。


「んんっ、……」


神田が耳から口を離して、濡れた耳に神田の息がかかって耳が急激に熱くなって冷えていく。そんな刺激にプラスして指の動きがもっと奥へと進んでいく。


「ん、ぁぁっ!んっ!…ぁっ!もっ、だめっ……ひゃぁぁっ!!」


私は神田の腕を掴んでびくびくと体を震わして、ベッドに体全身を預けた。荒れた息を胸でならして、神田はそんな私を優しく見つめていた。いつも、そんな顔してればいいのに。そうすれば、もっとみんなと打ち解けるのに。そう思いながら神田の頬に手を伸ばして優しく微笑めば神田も微笑み返してくれた。

や。駄目だ。

こんな気が抜けた神田の顔、誰にも見せたくねぇや。


「か、神田も……。」

「ん?」

「あんま、リナリーと二人っきりとか、なんないで。」


そう言えば神田はきょとんと目を丸くして首を傾げてきた。


「任務だから仕方ないだろう。」


おい…。私はダメで自分はいいのかよ。


「やだ。私の傍にいなさいよ。」


半分睨みつけるように言えば神田は堪え切れないとばかりに破顔して私の首筋に熱いキスをして、赤い花を咲かせた。


「リナリーは、若くて、可愛いから。惚れちゃうのもわかるけど、」


でも、でも、

うまく言えない。とりあえず、ずっと私に惚れてなさいってことよ。


と無理矢理話をまとめると神田はくすくす笑った。




「仕方ねぇな。」




ずっと惚れててやるよ。

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