01


潤「らいらーい。ご無沙汰ー。」
玖渚「わぁっ。潤ちゃんなんだねっ!!いらっしゃーい!」


そう言って出てきた少女は玖渚友。
訪問者は哀川潤―――と1人の紫色の少女だった。
恐らく12〜13歳で、潤の服の袖をつかみ、彼女の後ろに隠れるようにそこにいた。
玖渚は最初疑問を感じたが、潤ちゃんが連れてきたのだから大丈夫だよね、と結果安心してその少女ごと部屋にあげた。


玖渚「ねぇ、潤ちゃん。その子は誰なんだね?」
潤「あぁ。今回の依頼で救出した。名前は刹那。名字はとある事情で色々あってだなぁ…」


それを聞いて玖渚は引っかかるものがあった。
名字が無いのは身寄りがないのと同じである。
引っかかったものを気にしてとある個人プロフィールを取り出してきた。
それには、「氏名 闇口刹那」と書かれていた。
わたし…?と少女は目を見開いた。


玖渚「やっぱり、この子だったんだね。噂は聞いてるよ。能力を買われて色んな家をたらい回しにされたんだよね。」
刹那「…はい。」
玖渚「一回僕様ちゃんのところにも来たから覚えてるよ。うに。せっちゃんって呼ぶから、よろしくね。」
刹那「は、はい。」


少し玖渚のテンションについていけない刹那は潤の介入によって助けられた。
潤は元々依頼を頼みに来たのだ。


潤「コイツ、零崎なんだよね。家賊が見つける前にあたしが見つけちゃったんだよ。だからさ、」
玖渚「わかった。ぐっちゃんを呼べばいいんだね。」


そう言って、玖渚は携帯を取り出し電話をかけた。

電話を掛けてから二時間ちょっとが経った。
もうそろそろ着くんじゃないかな、と玖渚が久しぶりの再会にウキウキする。
扉を叩く音がすると同時に刹那は凄いスピードで玄関に向かった。
暫くしてから聞こえた金属音に潤と玖渚は苦笑を交えながら止めに行った。


潤「ったく、刹那はすぐに手をだすなって。」
刹那「ご、ごめんなさい…」
軋騎「まぁ、そんなに怒るな。何か感じたからの行動だろう。」


新しい家賊に挨拶を済ませ、今は妙な緊張感もなく2人は接している。
潤は安心した。
そして、刹那の名前を変えることにした。


軋騎「やはり、刹織か?」
潤「あ゛ぁ?女だと思われんのは刹には合わん。刹識だ。」


結局潤の強制的な決定により、刹那は正式に零崎刹識となった。


軋騎「さて、刹識には沢山紹介したい家賊がいる。一緒に行こうか。――刹識」
刹識「はい。」


差し出された手と呼ばれた名に反応するように、刹識はその手を取った。








"紫色の空"



あの日私は鬼となった。
あの手を取ったこと、私は後悔していない。









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