02



校庭



変革――それは変わる事への大革命。

昔の私達兄妹は、今とは全く違い現実から逃げているばかりだった。
私たちが変わろうと決意したのは、黎架と会ってからだったが変わることを怖れたのはそれと同じ時期だったから、変われたのは遅い時期だった。
女の子というものは男の子のためだったら変われるのだろう。
それも、とても早く。


馨羅「私も…?」
黎架『そうなんだが…駄目か?』
馨羅「…いえ、京子のためだったらそれぐらい平気です。」


京子を見ていると、確かに裏社会を恐れているように見えていた。

けれど、最近のあの子は恐れるものはないみたいな目をしていて、そんな決意は初めて見ることが出来た。
私は、ああいう目が好きだ。
今、彼女の為になら何でもしてあげたい。
私だって変われたのだから、彼女が変わるためのお手伝い、少しぐらいならしたっていい、それが私に出来ることならば。


黎架『それにしても、やけに積極的じゃないか。同じ女の子として、かな?』
馨羅「さぁね。分かりませんよ。」


はぐらかしてみても、黎架にはお見通しなんだろうな…。
黎架はそれじゃあ、と言って去っていった。

この話をしたのは私が最初で、多分他の人にも協力を要請しに行ったのだろう。
黎架が動けば、たとえ一人の少女の為でも、世界だって、宇宙だって動くだろう。
今の彼女の力はそれぐらい巨大で強大なのだ。
いや、強大で恐大で狂大で――

酷くそれは恐ろしく怖く強い人なんだ。


馨羅「強いて言えば、彼女の瞳が好きだからなんだけどさ。でもあなたの前で言えるわけ有りませんよ…」


空にただ一人呟く。
返答なんて全くない。


馨羅「あなたは、私の母――魅雨が守り抜いた大切な人なんだから。」


泣かせなんかしない、死なせなんかしない。
守り抜いてみせる、私の命に代えてでも…!!

握りしめた拳に自分の爪が食い込んで血が滲みだしていた。

そんなことは気にしない。
こんな痛みは、この先あの子たちが味わってしまう痛みより痛くない。
あの子たちの痛みは今の私の痛みの数万倍痛いだろい、苦しいだろう、辛いだろう。
でも大丈夫、痛くても、苦しくても、辛くても――何があったって大丈夫。
だって――


馨羅「私たちがいる。私が、助けてあげる。」


支えてあげる、守ってあげる、助けてあげる、救ってあげる、包んであげる。

それが母さんと会ったときの最初で最後の最高の約束なんだから。


馨羅「私はずっとここにいる。黎架たちの傍に――。」










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