02
二日前――
家のポストに一通の手紙と2つの欠けたリングが入っていた。
最初は間違いだと思いたかったが、どうやら間違いでも冗談でもないようだった。
黎架『嫌だ』
恭弥「嫌だ、って言っても仕方ないよ。」
黎架『嫌なものは嫌だろう!』
と言うことで私は今、応接室で絶賛我が儘中なのだった。
あの憎き薄汚い血塗れたボンゴレの味方…というか守護者を務めなきゃならないなんて絶対に嫌だった。
でも、コノ事実にイライラして此処にきたのは勿論、ラウもだ。
ラウはコノ事実とあの山本武っていう奴と絡むことになりそうという予感に吐き気さえしているのだった。
ラウ『…んで、俺らなんだよ…うぇっ…』
京子「大丈夫?ラウくん。」
黎架『…はぁぁ…』
恭弥「一番嫌だったのは黎架じゃないようだね。」
ラウ『…うぇっ。キモイ…』
それほど山本が嫌いならしい。
ラウに悪いが、私には彼だけ他とは違うようなものを感じた。
何かを知っていて隠している。
憎めないけれど、私は異常と言うほどに許せない。
私はもっと詳しく知らなければいけない。
私達の愛した家族に手を出したあのボンゴレはどれだけ非常識で、どれだけ横暴で、どれだけ非道な奴らなのかを。
黎架『私は、知らないだけ。ボンゴレの本当の非道さを。』
京子「お姉さん…」
黎架(そしてラウも知らない。自分の身の危険を。)
何もかもを見てしまった、あの目の前で起きた惨劇を忘れるはずもない。
今でも目をつむれば見えてくるあのときの情景。
幼い弟を必死に守って4人、逃げ延びた。
両親に守られて、戻ってみればそこはもう敵も味方も、終わった場所だった。
思い出したくもない惨劇に身震いした。
幼い弟を守って、生き延びなければとあのとき決意したのだ。
だから――
黎架『執行の日は近い。怯えて震えている暇なんて、ない。』
ラウ『…わかってるよ』
不機嫌そうにして応接室から出て行ったラウを京子が追いかけていった。
私は止めることもせず、ただラウが出て行った扉を見つめた。
恭弥「真実は教えなくていいのかい?」
黎架『あぁ。十字架を背負うのは私だけで十分だ。』
私は緑の力の球体から巨大な鎌を出し、一振りすると応接室を後にした。
真実と罪を知るのは、十字架を背負うのは私だけでいい。
ラウは自由に翼を広げて飛び回って、堕ちるのは私だけで、いい。
黎架『さて、執行しますか。』
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