部活動
結局見学、というのはやっぱり緊張しちゃうから体育館の上から部活動を見学してみる。
この時期だからか、入部体験する人、見学する人も多くなまえ1は上手に人ごみに紛れて剣道部を見ることが出来た。
やはりイケメンが多い剣道部にはギャラリーが多い。

「ねぇ、聞いた?剣道部のマネってレギュラーが推薦した人じゃないとなれないんだって。あありに応募者が多いからそう決めたらしいよ?」
「えー、何それ!ここ入る気満々だったのに!そんなの個人の自由じゃんかあ。」
「しかもレギュラー達もなかなか推薦してなくて、決まってないみたい。唯一マネはあの子だけ。」
「誰?」
「名前なんだっけー....あ!雪村千鶴!」

「いいなー、あたしもマネやりたい。」
「最近皆レギュラーに推薦されようと、必死に媚び売ってる子いるんだって。」
「すごーい。私はそこまで出来ないや...。」
「まぁ見てるだけで幸せなんだけどね...。」

「うっわ、見た?今の斉藤君。かっこよすぎ!抱いて!」
「いやいや、どう見ても斉藤君は抱いて、じゃなくてウチらが抱く側になるって。それより原田先生だよ!」
「えー、私は絶対沖田君!」

ギャラリーでは多くの会話が繰り広げられていた。
そんななまえも麻美と楽しんでいた。否、勿論なまえだけだ。

「でもなまえ、よかったじゃん。あんた藤堂に推薦してもらう事出来るんでしょ。その流れから言って。しかも国語係のよしみで土方先生も承認してくれるだろうし。」
『でも...やっぱりやりたくない!ここの部活するんだったらまだ隣の卓球部のマネしたいもん。』
「....まぁ、あんだけあのマネが人気だったら自分が入ってっもみじめな思いするだけだろうねぇ。これはここにいる女の子全員分かってるだろうし。」
『そこなの。そんな惨めな思いしてまで部活に入る意味ってないでしょ?』

剣道場では剣道部に休憩が入る度に、部員が千鶴のもとにやってきたり、部員の目の色が変わっていたりと、何とも奇妙な光景だ。

「珍しくあんたにしては落ち着いた意見じゃない。私はあんたなら絶対尻尾振って入ると思ったよ。」
『あたしだってたまにはちゃんと周り見てますぅー。』

次の日、なまえは藤堂からマネの申し出を受けたがきっぱり断った。


「みょうじがいない間に原田先生が来てて放課後、部屋に来いだと。」
『原田先生が?うん、分かった。ありがとう。』
「あ、ああ...//」
「あんたいつの間に原田先生と仲良くなってたの?私らのクラスと関わりないじゃん。」
『購買でパンを買ってもらったの。』
「はぁ?それだけ?」


なまえは結局バレーボール部のマネをすることに決めた。

fin


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