No!
えーただ今昼休みの教室です。
私の目の前にいる男は叫んでいます。

「俺、変わるから!もう一度考え直してくれ!」

『何度も言ったけど、無理。別れる。』


そもそもおかしいのだよ。←
向こうから距離を置こうって言って、3か月経過しました。
音沙汰なし、なのに昨日急に「やっぱりもう一度、付き合おう。話したいから外出てきてくれ」とかそれはおかしくないか。
で、出なかったら教室の皆の前で言う、という強硬手段とってきたよこの人。
皆の目線が痛いけど、私は悪くないぞ、うん。

「何でだよ!」

『嫌いだから。』


キーンコーンカーン.....
ちょうどいいタイミングにチャイムがなった。

「また来るからな!」

『来なくていいよー。』

そう言い、席に着いた。


「また来るからな!だって。愛されてんなーお前。」と後ろから声がした。

『何?青峰、羨ましい?』

「お前も厄介なもんに目、つけられたなー」

『ほんとにねー。あいつまじ何なの。被害者ぶりやがって。』

「.....まあ、何かあったら相談しろよなー。」

『うん、ありがとー。』

青峰はいいやつだ。初めて会ったときは、何だこの巨体、だと思ったが、半年間も席が前後だったから、仲良くなった。
一度、体育で見たバスケは凄くかっこいい、と思った。


授業終了のチャイムがなった。
それぞれが部活の準備、帰る準備をして騒がしくなる。
私は帰宅部なので、帰ろうと思ったらまた、来ましたよ彼が。

『はぁ....。』

「今でも君が好きだ。」

おいいいい、そんな言葉を今ここで言うのかこのバカは。
いくらこいつでも恥ずかしいことこの上ない。
ちょ、そこの男子、ヒューっ♪とか言った奴覚えてろ。後で殴る。


急にグッと腕が引かれたもんだから体勢を崩して、私は倒れそうになり、目をつむるがなかなか衝撃が来ない。
上を向くと、青峰の顔があり、私を支えてくれていた。

青峰って近くで見ると綺麗な顔してるよなー。とか思ってしまった。

「よっと...お前、何してんだよ。」

『はっ!ごめんごめん。見とれてた。』

「はぁ?」

すると青峰は私を抱き寄せ、こう爆弾発言をした。


「この女は俺のもんだ。お前はなまえを好きだと言ったが、俺もこいつが好きだ。」

『.......えええええええ?!!!!』

「色気のない声出すな。」
とパコンッと頭を青峰に叩かれたが、なかなか痛い。

「そんっ..俺はっ...」

「ああ?俺と殺りあおうってのか。」

青峰君、やりあう、っていうか字が間違ってる。殺そうとしてるよね。
青峰が目つきをさらに悪くすると、元彼はひいっと言いながら走って自分のクラスに帰って行った。

その後の教室の空気と言ったらもう....。

『青峰、ありがとう。』

「おう。で、さっきの返事。」

『...え?あれガチだった?』

「ガチだよ。さっきあんだけ驚いてたのは誰だよ。俺はなまえが好きだ。」

『青峰君、さすがに何回も言われると恥ずかしいのだよ。』

「果てろ」

『ゴメンナサイ。....うーん、急に言われてびっくりしたけど.....。うん、断る理由が見つからない。』

「じゃあ、付き合うか。」

『え?うん....。分かった。付き合う。』

「よし、じゃあ...」

グイッと腕を引っ張られ青峰にキスをされた。

『んっ...ふぁっ...///』

皆がいる前で深い口づけをされました。今日は皆の前で告白を2回もされ、ふかーいキスはされるわ、一体何なんだ。

顔が離れ、青峰は唇をペロッと舐め、ニヤッと笑い、言い放った。


「...離れんなよ?」

やられた。こいつ絶対確信犯だわ。


(No!)


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