最近、真ちゃんがすごくかっこよく見える。
何でだろう、ダメだよね。
恋人が遠くにいるからって、近くの人に目移りしちゃ、ねー。
こんなんバレたら征十郎に怒られる。
おーこわ。
そう思いながらも目の前の真ちゃんは本当にかっこいい。
勿論、宮地先輩達もイケメンだが、真ちゃんのかっこよさには敵わない、と思うなー。
あ、試合勝った。
ダブルスコアで圧勝。
私は真ちゃんに抱きついた。
「俺はー?」と高尾くんが言ってたけども無視無視。
『..かっこよかったよ?』
「......ああ。」
真ちゃんの腕が私の頭を優しくなでる。
あーこれ好き。
そしてふと視線を感じ、周りを見渡すと、出口の所に、まさかの征十郎くんがいた。
え、
私はすぐに真ちゃんから離れた。
征十郎は笑っているが、あれは、悪魔の笑み、だ。
何度か見たことがあるが、あの笑みには慣れない。
私は先輩たちのなくなったドリンクを受け取り、出口に走った。
『..征十郎、来てくれるなら言ってよね!』
「僕に命令するつもり?」
あ、これめっちゃ怒ってらっしゃる。
「ちょっと来て。」
そう言い、私の腕を強く握り、引っ張られた。
そして連れてこられたのは出口のすぐ横にある、男子トイレ。
まじか、初めてなんですけど、男子トイレ入るの。
『あの、赤司様、男子トイレとか、さす、がにまず「黙れよ」』
そう言い、私を壁に押し付け、キスをした。
『んっ、ちょ、征..、ここ、誰か来るし..』
「見せつけてあげればいいんだ。」
とまた深い口づけ。
そして誰かがトイレに入ってたらしく、私たちを見ると、そそくさと手を洗い出て行った。
さらにがやがやと声が、廊下から聞こえる。
やばい、絶対秀徳だよね、高尾くんの声ですぐに分かった。
「俺、トイレ行ってきます〜」
「あ、俺も」
待て待て待て。宮地先輩と高尾くん、待て待て。
そして唇が離れる。
「余計なこと、考えている暇なんてないよ。」
といい、また深いキスをされる。
『んっ..はっ...』
そして二人が来た。
「あ〜、今日の試合...えっなまえ!」
「高尾、どうし..」
見られた!
それでも征十郎はやめない。
「なまえがいるのか?」と真ちゃんの声がした。
私はその瞬間、征十郎の足を思いっきり踏んで、その隙に離れて、トイレの個室に入った。
「...赤司。」
「くっ..やぁ。」
「何をしているのだ?」
「いや、何も。」
「そうか、あれ、高尾、トイレいかないのか?」
「あっああ、もうしたし、いーや。戻ろ戻ろ」
「そうか」といい、秀徳の皆は出ていった。
出て行ったことはいい、しかし、私は思いっきり征十郎の足を踏みつけた。
出て行けば殺される、しかしでなきゃまずい。いつまでもここにいては。
そう意を決し、出ると征十郎が黒い笑みで仁王立ちに立っている。
ああ、まずいこれはまずい。
「何してるの?早く出てきなよ。」
『はい...』
「ねぇ、ここでヤる?」
『は?!ナニを?!』
「うん、だからナニを。」
何を言い出すんだ、征十郎くんや。
それだけは断固拒否しなければならない。
『勘弁してください!しかも!初体験がここ、とか絶対嫌だ!』
そう、私と征十郎は付き合って長いが、そっちはまだ、なのだ。
「どこだっていいいだろ。」
『いやいやいや!!!』
そうも言いながら征十郎は私の元にやってきて、私をトイレに押し込める。
そしてあたふたしていたら、征十郎にきつく、抱きしめられた。
『征っ.「なまえ、僕は君がどこかに行っちゃいそうで凄く怖い。...ずっと俺のそばににいてくるよな..?」
がらにもなく征十郎は細い声で私に言った。
私は抱きしめ返して
『...当たり前じゃない。結婚するつもりでいるんだけど、だめ?』
「ふっ..なまえのくせに生意気だ。」
結局、そのあと、私は愛されました。
どこって?勿論トイレじは却下して、体育館の倉庫。
それでも、私はすごく幸せを感じた。
違う人に目移りしてごめんなさい。
私はやっぱり赤司征十郎っていう人間から逃れられないみたい。
fin.
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bkm