お弁当は忘れてはならぬ。
ただ今食堂。
弁当を忘れてしまった私は何を食べようか、メニューの前で迷っていた。


「あ、この前、赤司っちに変な振り方をしていた子だー」

後ろから声がした。
ああ、これはおそらく黄瀬だろう。
正直、こいつ単体はどうでもよいのでね、うん。
適当に返しといた。

『ああ、モデルで有名な黄瀬君だね。』

「あらためて、黄瀬 涼太ッス。よろしくね。君は?」

『みょうじです。』

「...名前なんスか?」

『へ?ああ、なまえだよ。』

「君みたいな子は初めてだよ、普通、女の子に名前聞いたら、名前、しか言わないッス。」

『へーそう。あ、チーズインハンバーグにしよ。じゃあ。』

私はさっさとその場から立ち去りたかった。
何故ならば黄瀬ファンに絡まれたくないしね。

「あ、ちょっと待ってよ!」

『何?』

「何か怒ってるッスか?」

『?いや?(それより一刻も去りたい)』

「お、黄瀬。」

「青峰っち!」

おいおいマジか、ここで青峰っち登場とは。
その隙にそそくさと逃げようとしたら「あ、円周率のやつ。」

私は青峰っちはアホ峰で有名だから私の事忘れてると思っていたし、まさかアホ峰の口から“円周率”という言葉が出てきたことには驚きだ。

『おう、いつぞやの。』
青峰っちかっけーなぁ、髪の毛の青色も素敵だ。
そして黄瀬+青峰とか何より最高だよな、と頭の中で繰り広げていたら、
「お前も一緒に食おうぜ。」
という言葉に頭を現実に引き戻された。

『は?』

「そうッスね!」

「ほら、早く買って食おうぜ。」

「なまえちゃんはチーズインハンバーグだったッスよね?」
といい、黄瀬は食券2枚を買って、消えた。

待て待て、黄瀬っちになまえちゃんって言われた。どうしよう。名前呼ばれただけだが、不覚にも黄瀬単体にキュンと来たじゃねーか。

「何突っ立ってんだよ、早く来い」

そう言い、青峰っちは私の腕をつかみ、食堂の席に連れてかれた。

「ん?みょうじじゃないか。どうしたのだよ。」

「あ、みょうじさん、こんにちは。」

「誰ー?」

「ああ、久しぶり。」

上から緑黒紫赤だ。

「ああ、こいつ一人で突っ立ってたし、こいつも一緒に食おうと思って。」
何その言い方。まるで私が友達いない奴みたいじゃんか。まぁ、確かに少ない。そして一緒に食おうとか、まるで私が青峰っちに食べられるみたいじゃないか。やべっ

「早く座りなよ。」

そう言いながら赤司様は、隣の席を指差す。

とりあえず私は座った。


はぁ、ボロ出なきゃいいんだが、ね。
ああ、なんか黒子っちの目線を感じる。
感づかれたか?


ああ、次からはちゃんと弁当持って来よう。

fin


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