桜の有名な場所に着くと、何人かがすでにいた。
というか場所取りをしてくれていたみたいだ。
『花太郎!久しぶりだね!』
「なまえ隊長、お久しぶりです!」
場所取りをしていた花太郎の鼻が少し赤くなっていたので触れようとすると、どこから来たのか一護に連れ去られて言った。
花太郎の叫び声が聞こえた。
しばらくして私の乾杯の音頭で皆は飲みだした。
「なまえ隊長!」
勇音を筆頭に女性死神協会のお酌でいっぱい飲んだ。
そして徐々に、修平や恋次、ルキアも輪に入り、皆でゲームをしたりしてゲームに弱い私はとにかく飲んだ。
そして徐々に酔いが回ってきたので、輪から離れた所に座ると心地よい風に思わず後ろに倒れそうになっただ、後ろから誰かに抱きとめられた。
『あ、いぜん、たいちょ』
「先ほどから飲むペースが早かったので心配したらこれだよ。大丈夫かい?はい、お水。」
『あり、やろごらいます。』
「ふふっ、君には目が離せないよ。」
『くろ、うかけま、す』
私の視界はそれで消えた。
「あーらら、なまえちゃんと飲むために来たのにもう寝ちゃったの?」
「京楽隊長。」
「にしても惣右介くん、いい場所だね。変わっては...くれないか。」
「勿論です。」
「君ねぇ...。朽木隊長が見たら怒る....ウワサをすれば、ほら。」
愛染は後ろを振り向くと、白夜が愛染の腕の中にいるなまえを凝視している。
目で邪魔だ、と言っている。
愛染はしぶしぶとその場を離れた。
白夜は自分の腕の中で見るなまえを見て、腕に抱きかかえた。
「あー!朽木隊長がなまえをお姫さま抱っこ!!!」
「なにー?!!」
「いいなー!」
と注目の的になり、白夜は瞬歩でなまえの家に向かった。
大きな門をくぐり、玄関先でなまえの母上殿がいた。
「あらあら、また白夜様にご迷惑をかけて....。あ、上がっていただいてもいいですよ。」と笑顔で言われたのでお邪魔することにした。
そしてなまえの部屋に通され、布団に寝かせた。
彼女は気持ちよさそうに寝ている。
すると気配を感じ、縁側の方を見ると華山家当主、もとい馨殿がいた。
「申し訳ございません。このような時間帯に...」
と白夜は姿勢を正す。
「ああ、いいんじゃよいいんじゃよ。白夜くん、そんな気を使わず。時に白夜くん、銀嶺殿は元気しているのかな。」
「はい、銀嶺様は戦線から外れているものの、趣味などで楽しんでおります。」
「そうかそうか、よかった。ワシもいずれ戦線から離れ、この一人娘のなまえを当主にせなならん時が来る。....その時は白夜くん、君は彼女の傍にいてくれ。」
「...恐縮です。」
「なに、そんな固い言葉使わなくともよい。お主を見ているとなまえをいかに大事にしてくれてるかよく分かる。...それじゃ邪魔者は退散するかの。」
と言い、馨殿は部屋から出て行った。
ちょうどなまえの目が覚めた。
『あれ、びゃ、くや...?』
「全く、あれほど飲むなといつも言っているだろう。」
『あ、飲みすぎて寝ちゃったー?』
「ああ。」
起き上がろうとしてなまえを布団に戻し、寝ていろ、と白夜はなまえの頬に手をやる。
「お前は...俺の傍にいてくれるか?」
『......当たり前、だよ。』
と言うと、彼女はまた目を閉じた。
そして次第に寝起きも聞こえてきて、白夜は華山家をあとにした。
次の日、なまえはこっぴどく光に怒られながら穿界門に向かっていた。
『もー分かったって!これからは光も連れて行くから!』
「そういう問題ではなくて!!」
しばらくして穿界門の前につくと、白夜がいた。
『あれ、送りに来てほしくなかったから誰にも時間言わなかったのに...。』
「なまえは昨日、私に紙を見せたろう。」
『あ、そっか!...にしても白夜、昨日は迷惑かけたみたいですね。ごめんなさい。』
「いつもの事だ。」と白夜はなまえの頭に手をやり、細く微笑む。
なまえの前でしか見せない表情の一つだった。
「....頑張ってこい。また何かあったら知らせろ。」
『うん!!また帰ってきたら二人で飲みに行こう!』
そして不機嫌な顔をした光となまえは穿界門をくぐった。
fin
そして薄桜鬼編へ!
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