そんな時だった。
私が昼間寝ていると、屯所内がバタバタしている。
そして襖を開けると、ちょうど平助が廊下にいた。
『どうしたの?』
「お!なまえ!起こしたか?どうやら長州の藩士が捕まってよ、夜に会合開かれるらしーんだ。ってことで俺らの出番なわけよ!」と嬉しそうに話している。
『ほーん。楽しそうでいいね。』
「まぁな。なまえは疲れてるんだろーから寝とけ。」
ま、実際の所、羅刹に動きはないし夜は暇だから疲労感のひ、もない。
そして襖を閉め、再び布団に入った。
目が覚めたのは山崎くんの声だった。
『あれ、?どうしたの..?』と目をこする。
「緊急事態なんです。用意して広間に来てください。早急に。」とだけ言うと出て行った。
私はただならぬ雰囲気に適当に着替え、羽織をはおった。
広間に着くと、山南さんと山崎くんと千鶴ちゃんがいた。
『どうしたんですか?』
神妙な面もちをする山南さんが口を開いた。
「実はですね...本命は池田屋だったんです。ですから四国屋に伝令と...人手不足なので。」
『うん、分かったけど私はどっちに?』
「君はもちろん池田屋です。伝令は山崎君と雪村くんに頼みます。....私は屯所内を見張ります。」
『了解。』
「早速ですがもう行ってください。一刻を争う時です。」
私は頷き人が少ない屯所の裏に回り、周りに人がいないかを感じ、飛んだ。
池田屋の近くになり、降りると池田屋から悲鳴が響き渡っている。
自然と口が緩んだ彼女が屯所に入ると平助が倒れていた。
中に入り、周りを見るといつのまにか囲まれていた。
すると「みょうじくん!」と呼ぶ声がしたので目をやると、近藤さんが戦いながら心配をしてくれてるみたいだ。
私は剣を握り、一気に囲んでいた数人を回し斬りした。
久々の人を殺す感覚にゾクッ、とした。
そしてかかって来る者を全部斬り、近藤さんが相手をしていた男も斬り伏せた。
そこに新八もやってきた。
「これ、全部お前がやったのか....にしても返り血も浴びてないってどういう戦い方だよ。!つーか上で総司がやりあってんだ!」
私はそれを聞き、階段をかけあがって部屋に入ると総司と、ついこの間見た金髪の男が立っていた。
「ほう、なまえじゃないか。」
『あー...なんだっけ。』
「貴様、まぁいい。風間、だ。」
『そうだそうだ、風間だった。』
うめき声が聞こえ、私は初めて倒れていた沖田を見た。
「貴様、まだ俺様とやるつもりか?」
するとそこになぜか千鶴ちゃんが現れた。
「沖田さん!!!」
すると風間の目が千鶴を捕らえると、「ほぅ..。」とつぶやく。
しかし沖田はやるつもりみたいだ。
第三者から見て、力の差は歴然としてるのに戦おうとする沖田に目を見張る。
つーか何だか弱すぎて戦って気がしなくて、退屈だ。
「僕は役立たずなんかじゃない!」
沖田の声で現実に帰ってきた。今気づいたが、沖田は血を吐いている。
すると風間は剣をしまって外に出て行った。
そこには「僕はまだ戦えるっ!」という沖田を支える千鶴しか残らなかった。
とりあえず血を吐いてるので沖田の手をとり、お姫様抱っこをした。
沖田は気を失っているのか反抗しなかった。
反抗していたら反抗していたら面倒だ。
そして下に降りると土方さんや一くん達がいた。
「総司....。」
『そんな神妙な顔しなくても生きてるよ。気ぃ、失ってるだけ。』
「そうか...。」
そして屯所につき、総司を寝かせて自室に戻ると電話が鳴っていた。
着信履歴を見ると15件も来ている。
開くと総司7件、土方さん7件、銀時1件だ。
ちょうど土方さんからの電話が鳴ったので出ると、第一声は怒鳴り声だった。
「何で何回もかけてるのに出ねーんだ!!!」
『今まで出てたんで。』
「ああ知ってる。池田屋だろ?だから電話かけてんのがわかんねーのか。」
『あれ、もしかして心配してくださったんですか?』
「なっ....ああ、そーだよ。」
『え、そんな素直な土方さん気持ち悪い。』
「ああ?!お前は相変わらずだな...。心配して損したな。もー切るぜ。」
『あ!待って!ありがとう!』
というと2秒ぐらい沈黙が響き、向こうから切れた。
私はそのまま羅刹のいる方へ異常がないか確認しに行ったものの、何もなかったので戻ってきた。
明日は高杉に会う日、だ。
もちろん私の心は決まっている。
fin