どこですかー

あれ、ここどこですか。
さっきまで砂漠でさまよって湖に着いた途端、これだ。

急に景色が変わって、なんだかよく分からない生き物と見たことのない服を着た人間がいる。
辺りを見回しても砂漠の「さ」も見えない。
すると「邪魔だどけ、」とトラみたいな二足歩行の生き物が思い切りぶつかってきたので、私は地面に膝はつかなかったが、手をついた。

「ちっ」と舌打ちが聞こえ、私は思い切り下から足を蹴りあげ、地面に寝っころがった生き物にまたがり、謎の生き物の首元に短剣を突き付けた。

『あ?てめぇ誰に向かって舐めた口聞いてんの?』

すると頭上からまた声がした。

「あーあー、お嬢ちゃんが男にまたがっちゃダメだろオイ。」とけだるそうな声が聞こえたので上を見上げると、銀髪が目に入った。

『え、こいつ男なの?どっちかっつーとオス、じゃない?』
というと貴様ーっとまだ暴れるので私は奴の首元に短剣を突き付けた。
傷は浅めにしたつもりだが、奴は気絶した。

『つまんない。』そう言い私は奴から離れ、立ち上がって銀髪の男を見る。

『ねーねー、お兄さん。ここどこ?』

「歌舞伎町だけど?お嬢ちゃんこそ何、こんな昼間にベリーダンスの踊り子が歩いてて大丈夫なの?」

『は?ベリーーダンス?何それ?』

「あれ違うの?それならアレか、天人か?」

『はぁ?』

すると銀髪の奴は私のお腹をぷにっと触った。

「お、これが今はやりのマシュマロ肌ってやつ?オジサン、少し興奮する。」

『何こいつやばい。』そう言い、私は目の前の銀髪の頭を思い切り殴ってやった。すると意識がなくなったみたいだ。奴は不思議な生き物の隣に倒れた。

すると何か見たことのない乗り物か?が私の横に泊まり、2人の男が出てきた。

「あれ、そこに倒れてるの旦那じゃねーかィ。」

「ああ?...この馬鹿は何やってんだ。で、この二人、お前がやったのか?」

『うん、私は悪くないけどね。正当防衛だよ。』

「...っつーかてめぇ何だ?何で剣持ってるんだ?あれか、新選組の仲間か?」

「最近よくねーウワサ聞きますからねィ。」

『は?しんせんぐみ?何それ。』

「おまっ...新選組わかんねーのか?じゃあ真選組、もか?」

『はぁ?しんせんぐみもしんせんぐみも同じじゃねーか。何のことか分かんない。』

どうやら私は全くの異人扱いされているみたいだ。
国外なのか...?
それともトリップとかいうのをシンドバッドに聞いたことがあったような...。
あんな変態の話なんか聞いてられっか、という事で聞き逃していたのでよくは覚えていない。

「おい!聞いてんのか?とりあえず屯所までこい。」
と腕を引っ張られた。

とりあえず、着いていってここはどこかなのか聞くのが最善かもしれない、と考えた私は車という乗り物に乗り込んだ。




屯所、という場所に着くと目を見張るものが多くあった。

『え!ねぇ!これ何?!』

「ああ?何言ってやがんだてめー。テレビじゃねーか。」
そしてリモコンでテレビをつけると女は何か騒いでいる。

「何だあの女、さっきから反応しすぎじゃねーか。」

「田舎者か何かじゃないですかねィ。」

「にしては何か....あ、近藤さん。コイツが道で見つけた奴なんだが...。」

「おお!ごくろうだな!.....可愛い子じゃないか!」

「またか...おい、そこの女、とりあえずそこに座れ。」

『あーい。』そう言う彼女はすんなりと座った。胡坐をかいて。

「おいおい、仮にもてめーは囚われの身、だぜ?よくそんな態度が出来るな。正座ぐらいしろつーんだ。」と土方は煙草に火をつけた。

『せいざ?何それ。』

「アンタ、正座も知らねーのかィ。一体何モンですかィ。」

『いやいや、こっちが聞きたいんだよねー。さっきまで砂漠歩いてたのに急に意味の分からない場所にいるんだもん。』
と女は傍を飛んでいた蛾を持っていた杖をヒュッと降ると炎が出て、蛾は燃え、火が消えた。

「え....」

女は杖の先端をふっと口でふいた。

「お前、今何やったんだ...。」

『え、何って何が?』

「今の蛾!どうやって消したんでィ?!」

『え、見てなかったの?魔法、だけど....ってもしかしてここには魔法ってものはないの?』

「無いに決まってるじゃないか!もっと!ほかのも見せてくれないか!」

と近藤さんは女の肩を掴み、思い切り揺らした。

わかったわかったという女は庭に向かって杖を振ると、水が出た。
するとたまたまそこを通った山崎に水が全部かかった。

そして女は指でそこにあった壺を浮かせた。



「どうやら本当みたいだな....」
と近藤さんの声が響いた。


そして女は今までのいきさつを話した。
途中、分からない単語が出てきたが信じるしかなさそうだ。
この世にはいくら天人でも魔法使いなんていうのは二次元だけの話なので、女の話を信じるしかなかった俺たちは女を真選組の隊士として預かることにした。

女も行くあてがないのか、それにすんなり従った。

『ね、土方さん。私の事は話したからそっちの事教えてくれない?』

fin


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