「いやー、委員長もなかなかスミにおけねーなぁ!まさかあのルカワと!」
と目の前の赤い頭はニヤニヤしながら喋っている。
大方、ハルコさんが好きなルカワに相手がいたことから喜んでいるのだろう。
「委員長、」
『私、ちょっとトイレに行ってくる。』
と好奇の目から逃げた。
廊下に出ると、1分前の事がすでに広まっているらしく、何人かから視線を受ける。
その中にハルコさんの視線が合った。
あと、その他モブ。
いつも思うんだけど、ハルコさんの友達、もうちょっと可愛くしてもよかったんじゃないか、と思う。
そして気分転換に屋上に出た。
すると、先約が。
三井だ。
幸い、彼は寝ているらしく、気づかれないうちにそこを去ろうと思ったが彼は起きていたらしい。
「何逃げよーとしてんだ、みょうじ。」
あ、なんだか苗字覚えられている。
あの時の職員室の時のか。
『三井先輩、こんにちは。別に逃げようとしたんじゃないですよ。ちょっと、寝てるのに邪魔かなーって。』
「...ふん。邪魔って一体何するつもりだったんだよ。」
と怪しい笑みを浮かべる。
『私は変態か。』
「冗談だよ、まぁ座れ。」
『や、ちょっと息吸いに来たんで、というかもう授業始めるし。』
「サボればいーじゃねーか。」
『どこかのヤンキーさんとは違うので。』
「...お前、前も思ったけどいい性格してるよな。」
『よく言われます。』
そして予鈴が鳴ったので私は屋上を出た。
10組の前を通ると、相変わらず流川は寝ていた。
10組の人間は、まるで私が流川に会いに来たと勘違いしたらしく、流川を呼ぼうとする。
おいおい、そこのモブ、何しようとしてくれてる。
私はただ通り過ぎただけなんだが。
すでに遅し。
ノッソリと起き、そのモブに何人たりとも〜のあのセリフを言っていた。
モブの悲鳴と共に、本鈴が鳴ったので私は教室にそそくさと戻った。
ほんと、どーしてこうなった。
fin
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bkm