目の前で花道が、今日は珍しく起きている。
最近はバスケが楽しくてしょうがないらしい。
早くリーゼント卒業しないかなーと、花道の頭を後ろから凝視していた。
「なになに、もしかしてなまえちゃん、花道に惚れたか?」
『それはない。』
「即答かよ。」
「フッ!俺様に惚れても、ハルコさんがいるからその恋は報われないのだ。」
ガッハッハと彼は笑う。
『桜木君、余計黒板見えないから体のけ反らないで。』
「むっ?」
「なまえちゃんって何気に毒吐くよなー。意外だぜ、学級委員長。」
『そのまま水戸君に返すよ。』
すると教室のドアの向こうからキャーッという声がした。
何だ何だと水戸君と花道と私はドアの方をみる。
「あーっ!ルカワ!てめぇ何でこのクラスに!」
「珍しいな。まさか、花道に用でもあんのか?」
流川がまさか花道のために教室に来ることはないだろう、っつーか待て待て私の方に向かってきてないか、コレ。
「....。」
無言で湿布を渡された。
え、っていうか足怪我してからかれこれ1週間たったし、もう治ってますけど。
『ありがたいんだけど、もう治ったんだよね。』
ほれ、と私は座りながら足をプラプラする。
「...名前も知らねーし、見つけれなかった。」
え、こいつ私を探してたのか。
それだけ言うと、奴は廊下に消えた。
そしてはっと周りを見ると周りの好奇の視線が凄い。
ぐっばい、私の平凡な人生。
fin
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bkm