その笑顔は嫌いなの、

私が彼を好きになったのは入学してすぐ。

学園に二人しかいない女子だからって月子ちゃんが話しかけてきて、その後ろにいた幼なじみの三人の一人が錫也くんだった。

私は錫也くんの甘い笑顔が大好きで、ずっと私に向けて欲しいと思ってた。


でもちがった。

彼が見つめているのは、
甘く微笑んでいるのは、
いつもいつも月子ちゃんで。


悲しくなって部屋で泣いた。

月子ちゃんも大好きだけど、錫也くんのことが好きで。

好きで、好きで、大好きで。

嫉妬心に狂ってる私が嫌になって。

また自分で自分を苦しめてる。

この繰り返し。



悲しみの連鎖は、


きっと終わらない。



<その笑顔は嫌いなの、>

(いつも彼女に向ける、)

(甘い笑顔が。)

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