愛してるの使い方

「名前…?」

『クッキー、食べたいっ!』

数十分前、彼女が発した言葉である。

俺の隣でクッキー食べたいから作ってと言った。

食堂を借りて作っている間にどこかに行ってしまったようだ。

「あ、」

食堂の前で宮地くんと話している名前の姿が見える。

「―…」

きっと俺がクッキーを作っている話だと予想はつく。

それでもヤキモチはやく。

「名前…」

「あ、錫也!」

ぴょんぴょん跳ねながら近づいてくる彼女を引き寄せた。

「え?」

「好きだよ」

わざと耳元で囁いて頬に軽くキスをする。

真っ赤に染まる名前。

宮地くんは食堂から出て行ったようだ。

「ちょっ…錫也!?」

「名前…愛してるよ」

「えっ…私も…愛してる、」

照れながら言う名前が可愛くて今度は唇にキスを降らせた。

<愛してるの使い方>

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