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少年少女の青春謳歌 1

今日は海岸荒行の練習が早めに終わった。
大半の部員が帰る中、平古場くんと甲斐くん、木手くんは残っていた。
そしてうちも。
木手くんは居残り練習をしたいからとか言ってたけど、今は少し外れた桟橋の所に座っている。
なにしてんだ?
精神統一でもしてんのかな。
なんでもいいけど。
そして平古場くんと甲斐くんはまだ足りないだとかほざいて泳いでる。
なんで海岸荒行で充分泳いだっていうのにまだ泳ごうとするのかな。
本人たち曰く、練習と遊びは全然違うらしい。
これもなんでもいいけど。
本当はうちも知念くんたちと一緒に帰ろうと思ったんだけど、今日はなんともまあ暑かったから少しは海に浸かりたいとも思って。
マネージャーは海には入れないから生殺し状態だったからね!
よかったよ蒸発しなくて。
固体から気体に状態変化するかと思ったよ。


「うっわー…やべー海ちょう気持ちいい」

腰くらいの位置まで海に浸かって呟く。
沖縄の海最強だね。
綺麗だし、しかも景色もいいし。

「当たり前さぁ。それにこれだけ暑かったら余計気持ちいいやっし」

偉そうに言ってくる平古場くん。
いつの間にやら私物のTシャツ着てやがる。
練習の時はハーパン一丁だったのに。
なんだこいつは、こんな時にもシャレオツ感出そうとしてるのか。
Tシャツ着てるのに海に入ってる。
いやうちもそうだけどさ。
…まあ沖縄ならこれが当たり前だけどね。

「確かにね。…てかなんでそれ着てんの?それ帰る用のやつとか言ってなかった?」
「まだ予備あるからいいんだよ」
「あんたシャツ何枚持ってのさ…」
「仕方ねーらん、着替えてから無性に海入りたくなるくとぅ(こと)もあるんだからよ」

ほんと自由人だな。

「…あれ、つーか甲斐くんは?いなくない?」
「裕次郎?あぬひゃー(あいつ)なら…」
「涼音っ!」

ざばぁ!

ぎぃやあぁ!!

いきなり背後から物凄い水飛沫が飛んできた。
水飛沫というか、え?津波?と思い違うくらい強烈な水が押し寄せてきた。
うわぁ、さっきまで上半身はまだ濡れてなかったのに今は全身くまなくずぶ濡れになっちゃったじゃないか!

「ぷっ、すげー声やし」
「ちょ、甲斐くんてめぇ!」

振り向くとそれはもう楽しそうな顔で笑ってる甲斐くんがいた。
どうやらコイツの仕業らしい。

「まぁまぁそう怒んなって。そんだけ濡れねーと思い切りもつかねーらん」

べしべしと甲斐くんに頭を叩かれる。

「それもそーだな。いつまでも突っ立ってるだけじゃ楽しめるもんも楽しねーし。ブイじゃねぇんだからよ」

ブイて。酷い例えようだ。
まあ何もせずに海に浮かんでる点に置いては間違っちゃないけど。




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