結末は誰にも分からない

 
 
わたしの日課は学校の生活の中でちょこちょこと書く鹿丸くん専用ノートだ。

いつ寝てしまったんだろ。なんで奈良くんが鹿丸くん専用ノートを手にしているんだろう?…え?手にして…


「それ返してください」

「俺のこと書いてて楽しいか?」


くすくすと笑いながらいう奈良くん。もう内容も読まれているらしい。こうなったら、こっちだってやけくそだ。


「楽しいですよ」

「…つーか、」

「なんですか?」

「鹿丸じゃなくてシカマル」

「カタカナなんて考えないよ、普通」


わたしのノート(鹿丸くん…以下略)を開いて綺麗な字で書く奈良くん。一体誰が一番にカタカナなんて考えるだろうか、とすごく伝えたい。もう口にしたけど。


「俺に興味あんだよな?」

「まあ、あるよ」


うちはくんとかうずまきくんとか犬塚くんとかそこら辺の中では1番。


「俺も名字さんに興味あるんすよね」


何故敬語のようになる。と、ツッコミたい気持ちはおいといて、


「何故?」

「好きなんだよ」

「は?」

「名字名前が好きだ」


だからこんなノートに書かなくても、あんたの脳ミソにちゃんと俺の記憶を俺の全部を植え付けてやるよ

なんて言われて恥ずかしいわけがない。

でも、今思えば、わたし自身奈良くんが好きなのかも知れない。人間観察は好きだけど、奈良くんのようには皆長続きしなかったし。


「ふつつかものですが、よろしくお願いします」


そう言えば満足そうに笑う奈良くん。
まあ、嫁にくるみてぇなセリフ、と言われたのは気にしないとしよう。



今日でこの鹿丸くん専用ノートとはさようなら。多分これからはずっと引き出しの中。


これからは、わたしの脳が、わたし自身がノートの代わり。



 


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