「今日のカメラアングル いつもと違ってなかった?」

トレーニングセンターに集まるヒーロー達 カリーナの一言から今日の撮影についての話題が始まった

「そうねー なんていうか アタシ達を引き立てるカメラマンだったわねえ」

「確かに 今回はすごく引きやアップが多かった気がします」

「あら ハンサムもそう思う?」


「そうかー 俺はいつも通りだったけどなー」

「僕も同じく 変わりありませんよ」

「オジさんはいつも通り活躍しませんからね」

「んだと バニー!」


「ちょっと何騒いでるの ヒーロー同士 というかバディ同士仲良くしなさい」

眉間にシワを寄せ 注意するアニエス

「アニエス、何の用だよ
バニーちゃんのインタビューなら他でやれよ」

「残念ながら今回は違うわ
あなたたちヒーローに紹介したい子がいるの 来なさいジルハ」

『なんで まだ就職だって決まってないのに 人前に出るようなことしなきゃなんねーかな 姉ちゃんまじ怖い 俺がどれだけ人と触れあってないか知らねーのかな 画面越し以外とか結構久々だからな』

「いいから来なさい」

『はーい いますぐにー』

と間延びした返事をしながらトレーニングセンターの階段を上がりアニエスの隣に立つジルハ

「自己紹介」

『あ ん? ああ そっか
もしかしたらHERO TVのスタッフとして働くかもしれない ジルハ・ジュベールです』


「もしかしたら?」

首を傾げるイワン

『なんか未定というか 今日の功績しだ、っ』

イワンを見つめて固まるジルハ

「ぼ 僕何かしましたか?」

不安そうにジルハを見つめるイワン

『あ い、いえ 何も』

「なら よかった」

安心しほっと息をもらす

『、 かわいい』

「はあ、 今日のカメラアングルを担当したのはこの子よ
今回の視聴率が良ければこれからスタッフとして働くから 紹介をと思ったの 場合によっては現場のカメラマンとしてあなたたちに関わることもあるから」

「へー なるほどなー
と いうかお前の弟 イケメンだなあ」

「まあ 一般的にはそうかもしれないわね」

「でーも 姉とは対照的にイケメンくんは垂れ目なのねー かわいいじゃない!」

『え ああ どうもありがとうございます でも俺は皆さんの方が素敵だと思いますよ』

ニッコリ微笑みながら言うジルハ


「お おお サンキューな
おいアニエス どういう育て方したんだよ」

「知らないわよ 基本的にはというか短大出てから引きこもってたんだから まあ、でも少しばかり支障をきたすわね」

「は?」

「あれ 見なさいよ」

あれ とは女性陣のことだ カリーナは頬を染めジルハに熱い視線を送っており ネイサンは可愛いと言いながらくねくねしている そしてあのパオリンですら挙動不審にあちこちを見たり髪型を気にしている

「うっわあ すげぇなおい」

『あ そういえば俺
まだみなさんの 名前知らないんで教えてもらってもいいですかー』

「ああ そうだな
これから世話になるしな
俺は鏑木・T・虎徹だ
ヒーロー名はワイルドタイガーだ」

「僕はバーナビー・ブルックスJr.です
ヒーロー名も変わりありません」

「わっ私はカリーナ・ライルよ
ヒーロー名は」
『ブルーローズさんですよね』

「ええ そうだけど なんで」
『声が同じだったので 』
「そ そう、」

「なあなあ ジルハ君モテただろ?」
「学生時代は人並みかそれ以上付き合ってるはずよ」
「へー そう、やっぱ優男だねえ 弟くん」

「俺はアントニオ・ロペス
ヒーロー名はロックバイソン」

「アタシはネイサン・シーモナよ
そしてファイヤーエンブレムようっ」

「ボクはホァン・パオリン
ヒーロー名はドラゴンキッドだよ」

「次は私だな 私はキース・グッドマンだ!
そしてスカイハイ!キング・オブ・ヒーローだ!
今日の君のカメラアングルは最高に素晴らしかった そして素晴らしかった!」

『ど どうも…』

「僕はイワン・カレリンです
一応 折紙サイクロンです」

『イワン君か 』
「え はいっ」

小声で名前を復唱したジルハだったが本人に聞かれたらしく あ やばい イワン君に聞こえてたみたいだ どうしよう、と内心気が気でない

『えっと いい名前だな』

「ありがとうございます」

にっこり笑うイワン

ああ、本当にかわいいなあと思うジルハ


「ああ、っと ジルハくんでいいか?」

『呼び捨てで構いませんよ鏑木さん』

「そうか?じゃあ 遠慮なく
俺も呼び捨てでいいぞ ジルハ
あと敬語 俺含めこいつらそんなの気にしねーから気楽に喋りな」

『じゃあ、俺も遠慮なくそうさせてもらう
呼び捨ては流石にあれなんでさん付けで 』

「そうかー まあ好きなように呼んでくれ
それでっ なんだがな」

『ええ』

「今日 ジルハの歓迎会しようと思うんだが用事とかあるか?」

『ないけど 虎徹さん 俺まだ就職決まったわけじゃあ』
「まあまあまあ いいじゃねーか」

「流石ワイルド君!
歓迎会なんて素晴らしいっ
私は大賛成だ」

「わ、わたしも!」

「ボクもーっ」

「いいじゃない
みんなで飲むのは久々ね」

「俺も賛成だ」

「今回ばかりは僕も賛成です」

「僕もです」


『えっと じゃあ
お願いします』

困った様に笑うジルハ






(今日の8時にここの玄関に集合な!)
(虎徹さんってば横暴だなあ)






とりあえず早くイワンと仲良くなれ


20120708*