鏡越しの君に | ナノ





「先輩の浮気者」

私より先に兵助に会って尚且つ 外出に誘うなんてあの人の後輩好きには困ったものだ

「嫉妬してるんですからね」

兵助との話は終わったはずなのにここに来ない先輩 いったい何をしてるんですか いつもの場所でわかったんですよね と言うかあなたの為に分かりやすくいつもここにいるんですよ 六年生長屋の屋根に、気づけばか

『三郎っ』

「遅刻ですよ せんぱい」

『ごめん ごめん
一年は組のよい子達に捕まってたんだよ』

苦笑いをしながら言う先輩 あなたは優しいから きっと慕ってくれるあの子達の思いを無下には出来なかったんですね 食満先輩や善法寺先輩のとこへは行かず 私に会いに来てくれたのは嬉しかったが やっぱりあなたは、

「私より一年は組のよい子達が大事ですか」

『そんなことない
みんな 大事だよ』

優しすぎるんです

「そう言えば 許すと思ってるんですか」

そしてあなたの優しさを私は利用しているんです そう言えば、なんて私が言えた質ではない こう言ってしまえばあなたは、一樹先輩は私に優しくしてくれる
そうでもしなきゃ あなたは平等に扱うでしょう そんなもの私はいりません あなたの特別になりたいんです あなたの全てになりたいんです

『本当に悪かった そんなに怒ってるとは思わなかったんだ
ごめんな 今度なんか奢るからさ』

眉をハの字に曲げながら申し訳なさそうに言う先輩 私はそんな顔をして欲しかったんじゃない 苦笑いをしながら呆れながら 悪かった、そう一言言ってくれればよかったんだ

「団子 食べに連れてって下さい」

『ああっ もちろん』

「私は兵助とは違いますよ
すぐに 時間作って下さい」

『わかってるよ 明日にでも行こう』

「最近忙しいんじゃないんですか」

『大丈夫 なんとかするから
委員会の手伝いくらいすぐ終わらせるよ』

「っ 約束ですよ」

ああもう この人はどうしてこんなにも私の心を揺さぶるんだろうか
あなたの一番になんてなれるはずもないのに特別になんてなれるはずもいのに私は あなたの優しさを勘違いして優越感にさえ浸ろうとしている こんなの私じゃない

『ああ 約束な』

でも 夢を見ることは自由ですよね 一番なんて全てなんて特別になんてなれない現実より 優しさを勘違いしたままで ずっと遠くからあなたの背中を追いかけていれば、幸せなんだと思えばいいんだ なのに、私は

「ねえ先輩、一樹先輩 好きです」

やっぱり

『俺も好きだよ』

あなたの背中を追いかけるより

「大好きです」

いれる筈もない

『俺も大好きだよ』

横に並んで

「先輩 あいしてます」

笑っていたいんだ

『、』

やっぱり 駄目ですか、私じゃ
愛してはくれないんですか
それに先輩の好きは後輩としてって意味だろう

「一樹先輩 私は諦めませんよ」

『ごめんな』

「謝らないで下さい
虚しくなります」

それに、







泣きたくなるので
(まるで 私には勝ち目がないみたいじゃないか)






切ない話をうまく書けるようになりたい
次ページおまけ


20120204*



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