アナタが世界でボクが色。 | ナノ


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それから直ぐに、追い掛けようと思って玄関のドアまで突進したけどドアは何故か開かなかった。

仕方なく諦めて、今は大人しく部屋の探索をしてます。
半ば八つ当たりだけど。


「うん。結構広いかな?」


浴室もおっきいし、ベッドも大きかった。
流君んちのよりは狭いけど十分過ぎるくらい。日用品も幾つか揃ってて買わなくて済んだよー。

寝室の隅に大きな段ボールがあって家から送ったものも届いてたし、あとは片付けるだけかなぁ。
さてと!
最後にリビングでも見に行こーと。さっきはあんまり見てなかったし。
ぱたぱたとスリッパを鳴らしながらリビングへ続くドアを引いた。


「…うん。いい感じ…」


他の部屋より広く落ち着いた空間。大きめの白いソファが二個に、綺麗な装飾がついたガラスのテーブル。絨毯もシックな緑で、
あと、黒い…
黒い物体……は、
え。え。ん!?
も、もかししてっ

あの艶のあるフォルム!
光に反射するガラス!
もしかすると!!

予想していなかったものが目に入って、若干早足で忍び寄った。
そう
それは!


「テレビーっ!!」


わぁわぁー…
テレビだテレビっ!
いつぶりかなっ


「テレビ観れるっ」


ガチャン


オレが感動を噛み締めていると突然玄関の閉まる音がした。
勿論、それは流君だろう。


「あ。おかえりーっ」


喜びを噛みしめつつ、オレは置いて行かれた事も忘れて流君を出迎えに行った。

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