おまけ
*おまけ*
「ね!今日は、デザートもあるんです」
余韻もなにもあったもんじゃない。勇義は興奮冷めならぬ様子で壁下の隙間へと銀紙を突っ込んだ。
間を置かず回収されていった銀紙はその場でガサゴソ開けられる。
どちらの家も明かりという明かりはなく、文字通り真っ暗な中勿論銀紙を空けてもそれが何であるかはわからないが
今日も今日とてバリエーションもない、甘い玉子焼きが入った握り飯か何かだと思った
「、ゴホッ」
と、のちに彼は言った。
「きゅうりのシロップづけ。おしおをちょっといれたのはかくしあじ!」
「こ、の、」
「スイカ!」
「クソまずッ!」
「なつはがまんするのよ?なつだから」
自作の鼻歌を意気揚々歌い出した勇義を誰も咎める事はない。
誰もいないのだ。
「……」
二人しか。
_____Fin
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