第1話  出会い










「き…きゃあああああ!!」


風が吹き抜けて肌寒い。髪の毛も風のせいで乱れまくってるし、学生服のままだからスカートが靡いて恥ずかしい所の騒ぎじゃない。…いやそれもなんだけど、もっと重要な事がある。そもそも何故こんな状況になっているか。冷静に考えようとしても落ち着ける訳がなかった。だって、だって今私は…!


空から地面に向かって落ちてるんだよ!?それも物凄い勢いで!自分の目線は空で後ろから落ちる体勢の為あんまり見えないけど、下には多分…ていうか絶対街があるし!これ間違いなく死んじゃうよね!?なんとかするって"あの人"は言ってたけど本当に大丈夫なのかな!?
とにかく安心したくて両親から貰ったブレスレットを見て気持ちを落ち着かせようとした。


「…ん…?」


が、そこで私はある事に気づく。確かにブレスレットは右の手首につけている。しかしそのブレスレットは眼鏡をかけていないかのようにぼやけていた。何でこんなに視界がぼやけているのだろう?眼鏡はちゃんとつけているのに。
…まさか。恐る恐る眼鏡を外すとちゃんとブレスレットの形が綺麗に見えた。…視力が、戻ってる…?
とりあえず眼鏡を落とさないようにスカートのポケットに入れる。…それにしてもこの状況どうしよう?いや、正直どうも出来ないんだけど。わかっている事は痛いのを我慢しなきゃいけないという事。と言うよりもこれ普通に死…いやいや、考えるのはやめとこう。"あの人"の言葉を信じよう。


「…い、いや、なんとかするって言ってくれてたから…」


気にしないでおこう。真似しないで下さいね。…ってこんな事する人って絶対いないよね。自分で言っておいてツッこんでしまうよ。よくこの状況でこんなことを思える私自身ちょっとビックリ。実際余裕なんて無いんだけど。
しかしそろそろ地面に落ちてもいい頃じゃないかな。恐る恐る顔だけをなんとか動かして目線を少し下にむける。すると予想通りもう街が結構近くて地面に落ちる所までそこまで時間はかからないのは予想出来た。見える範囲に人は歩いていないのは良いけど、…あ、あれ!?これ本当に何もなくて無防備のまま落ちちゃうの!?ちょ、私生きれるのかな!?
 
 
 
 
 


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