「…ぬぅ」


あの古城の出来事から翌日。私達は車の修理に行っているスヴェンさんを外で席に座りトランプをしながら待っていた。トレインさんは右手を前に出しながらイヴちゃんが持つ二枚のカードを見ている。どちらを引くか悩んでいるんだろ。
ババ抜きか…私も苦手だったけど、上手いことカードが揃って一位をとっちゃったんだよね。それにしてもイヴちゃんのポーカーフェイスが凄すぎる。顔色一つ変えてない。


「コイツだぁー!!」


勢いよくカードをとり直ぐ様何だったかを見るトレインさん。結果は…表情的にジョーカーだったみたいだ。


「くっそー、姫っちポーカーフェイスすぎんだよ!」

「トレインは表情[カオ]に出すぎだよ」

「本当に凄いねイヴちゃん。私も直ぐ顔に出ちゃうから…羨ましい」

「明はそれでいいと思うよ」


なんて楽しく騒いでる私達の所にやってきたのは。


「おわっ、出た!」

「失礼ねオバケみたいに」

「リンスさん!」

「やっほー明」


リンスさんだった。ニコニコとイヴちゃんに笑いながら挨拶とスヴェンさんはどこに行ってるのかを訊いてきて答える。トレインさんはというと物凄い嫌そうな態度で「何だよ何か用か?」と言う。するとリンスさんが一つの箱を見せてきて。


「…いいの?そんな態度で。せっかくドーナツ買ってきたのにー」

「よく来たな!」


中身が何かを知った途端、トレインさんの態度が一気に変わる。親指を立てて満面の笑顔で歓迎する彼に私とイヴちゃんは顔を見合わせながら苦笑するのだった。















  第17話  トキメキと嫉妬と















「…あのさー。あんた達これからどーすんの?」


リンスさんも席に座ってドーナツを食べながら話をする私達。どうする、と訊かれても何も決めてない為そう答える。リンスさんはどうやらこの街にいるみたいだ。あの人達…時の番人[クロノ・ナンバーズ]が気になるみたい。


「スッキリしないのよ。このままじゃね…」

「………」

「イヤですっ!」

「!」


突如そんな声が聞こえてそちらに目線を送ると、男性が女の人を壁に追い詰めているようだった。
 
 
 
 
 


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