「何だ?」

「ナンパだ!」


見た感じからして女の人は本気で嫌がってるっぽい。しかも何か…男性は凄いナルシストっぽいんだけど…。断ってるのに何度も誘うのはどうかと思う。
そこで動いたのはイヴちゃん。席から立つイヴちゃんは「助けてくる!」と言うと女の人の方へ向かっていった。


「…段々行動がスヴェンじみてくるなぁ」

「フフ…いいじゃない」

「私もスヴェンさんを見習わないとだよね!」

「明までやめてくれ」


何故かトレインさんは頭を抱えながらそう言われる。え、駄目かな…?と思いながらもう一度男性と女の人の方を見る。すると男性が女の人の手を掴んでおり。恐らく強引に連れていこうとしているのだろう。それを見てイヴちゃんが左手を大槌[ハンマー]にするが。


「!?はぁー!!ボボボ、ボクの手がぁ!?」


次の瞬間、男性の女の人を掴んでいた手は燃えていた。驚いた男性は一目散にイヴちゃんの前を通りすぎて何処かに走り去ってしまった。イヴちゃんはまだ何もしていない為少し驚いている。あれ…?よく見るとあの人って確か…!


「思い出した!アイツ…星の使徒の怪獣娘!」

「確か…キョーコさん、だっけ…」


あの時…クリードがいる古城に入る前に会った女の人だ。火を吐く人。だけど向こうはこっちが叫んでいてもわかっていなくて、しまいには「…誰ですかぁ?」と訊かれてしまった。わ、忘れられてる…。


「…オヤオヤ」

「シャルデンさんお帰りー」


そこにもう一人の男性がやってきた。シルクハットを被っており、サングラスをつけている。金髪の男性。


「こんな所であなたに出逢うとは…。これも巡り合わせですかネ、黒猫…」

「ブラックキャットォ?あの人達しりあいですかぁ?シャルデンさん」

(星の使徒…!何でこいつらがここに…!?)


トレインさんを知っている。リンスさんの様子も変だし、何よりもキョーコさんと普通に会話をしている時点でこのシャルデンさんって人も星の使徒だということはなんとなく察しがつく。


「ルーベックシティ以来デスね、黒猫…!」

「あん時のシルクハットか。そのファッションは忘れねーぜ」


その言葉はつまり会った事があるという事。リンスさんが訊けばトレインさんは顔見知り程度だと答える。


「そちらの女性は確か番人[ナンバーズ]のスパイの…。成程、あなたも無事城から脱出できたというわけデスか」

「………」


警戒しているリンスさんにシャルデンさんはリンスさんに敵意は無いし自分達はただ食料を買い出しに来ただけだと言う。だけどどういう事かわからなかった。だって星の使徒が…買い出し?そんな事ってあるの?よく見ると確かにシャルデンさんは袋を持っているけど。


「私達ぃ!もぉ星の使徒やめたんでぇーす!」

「は…!?」


かなり明るく、そして笑顔で言うキョーコさんに私達は混乱する。するとキョーコさんの後ろから男性が必死にこちらに走ってきてキョーコさんにぶつかりそうになっていた。気づいたのは良いが声が出すのが遅かった為キョーコさんはその男性とぶつかり尻餅をつく。
 
 
 
 
 


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