「言っておくが明は渡さねぇよ」

「え…」


トレインさんの言葉に私は一瞬頭が真っ白になった。なんとか我に返ったが、当然ながら私はもう恥ずかしくて。トレインさんがそういう意味で言っていないとはわかってる。でも言葉一つ一つにドキドキしてしまう。


「…何であんな発言しているのに気づかないんだ?」

「お互いに鈍感だから」


リバーさんがイヴちゃんに尋ねると返ってきたのはこれ。私達はその質問内容に「?」となるだけ。…と、とりあえずトレインさんから離れないと。ドキドキしすぎて本当にトレインさんに伝わりそうで怖いよ!


「ト、トレインさん…あの…」

「…っ、わ…悪い…」

(何言ってんだ俺…)


なんとか声をかければ離れる手。トレインさんから体を一人分離して私は落ち着く為に息を吐く。お、落ち着かなきゃ…!絶対顔赤くなってるよね…!?


「…ま、面白いもん見せてもらったし俺は行くぜ。また十日後にな」

「…面白いもんって何だよ」

「は、はい!十日後にまた…!」


リバーさんは去っていった。残った私達もホテルに戻る前にゲーム機を買いに行くのと、トレインさんがお菓子を食べたいと言うので別れて買いに行く事になった。そろそろ時間も時間だし、別れた方が効率は良いしね。私もちょっとお菓子を食べたいし。
トレインさんは自分で選んだお菓子を食べたいだろうから、私はゲーム機を買いに行く方に行くよと言う。流石に見たらわかるだろうしね。


「…明、一人で任せてもいい?トレインに一人で行かせたら無駄な買い物しそうだから。明と二人で行かせたいけど…多分トレインの事、止めれないでしょ?」

「うっ…そんな事、ない…よ…?」

「…二人とも、俺をなんだと思ってんだ」


イヴちゃんの問いにハッキリ返せない。実際トレインさんと行ったら私は彼に強くやめとこうと言える自信はなかった。トレインさんが楽しそうならいいかなと呑気に考えているだけな気がする。すっかり私の事を見透かされている事に目を逸らすしか出来ない。聞いているトレインさんは私達に困った様に呟いていた。


「と、とにかく私は一人で大丈夫だから!何かあったら連絡するし!」

「うん。トレインの事なら任せといて。ちゃんと監視しておくから」

「姫っち…スヴェンみたいな事言うなって」


その後、ゲーム機を買う為のお金を全員の財布から集めて私の財布に入れた。これだけあれば流石に買えるだろう。私達はまたホテルで、と一旦別れるのだった。
 
 
 
 
 


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